2008年08月22日
歯周病と心血管疾患
歯科疾患である「歯周病」の治療と、「血管(内皮)機能」との関連を検討した、興味ある報告が最近なされました。
歯周病がありますと、血管(内皮)機能が低下して、心血管疾患(狭心症など)を発症しやすくなることが従来報告されてきました。これらの報告を受けまして、歯周病の治療をすると、 血管機能はどうなるかを調べた研究が報告されたのです。
結果は、歯周病に対して強力な治療を行いますと、一時的には血管機能は悪化しましたが、半年後には血管機能の改善がみられるというものでした。すなわち、長期的な観点からは、歯周病に対する強力な治療が、心血管疾患(狭心症など)を抑制する可能性を示した訳です。
歯科治療と、内科疾患の発症が関連あるというのは、不思議に感じられるかもしれませんが、この研究結果は、N Engl J Medという医学の分野では世界的に最も権威のある雑誌に報告されました。
歯周病があっても命を取る訳ではないので放置しようなどとは考えずに、 頑張って治療しないといけませんね。
参考文献
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 17:39| 血栓性疾患 | コメント(0) | トラックバック(0)