金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2018年8月8日

EGFR遺伝子変異陽性の肺癌肉腫:金沢大学呼吸器内科

木場隼人先生(現、小松市民病院)が金沢大学病院で経験したEGFR遺伝子変異陽性の肺癌肉腫症例がLung Cancer誌(Lung Cancer 2018. Volume 122, Pages 146–150.)に掲載されました。


この症例は腺癌部分と軟骨肉腫部分がきれいに分かれており、両部分から同一のEGFR遺伝子変異が検出されました。

さらに次世代シークエンサーを用いて解析したところ、軟骨肉腫成分には複数の遺伝子異常が追加されていることが明らかとなりました。

追加された遺伝子変異の中には、肉腫の発生に重要な役割をすると考えられているATRX遺伝子変異が含まれていました。


本症例では、免疫染色でATRX蛋白の発現も解析し、2つの病理組織の間で染色態度が異なることも確認できました。

本症例は包括的な遺伝子変異解析を行うことで、腺癌成分に複数の遺伝子変異が付加されることにより肉腫部分へと進展した可能性を示しました。

特徴ある症例をより深く解析することにより、新たな発見を得ることができました。

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2017年4月の米国癌学会(AACR 2017)にて
 


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血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:43 | 呼吸器内科

2018年8月6日

日本血栓止血学会第6回教育セミナーのご案内

 

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日本血栓止血学会第6回教育セミナー

“はじめよう 血栓止血学への第一歩”

第6回教育セミナーは次世代を担う医師として総合的なパフォーマンスを向上させると共に、血栓止血領域への興味を喚起し将来血栓止血学に関する研究や臨床を選択する人材の育成を目的としたセミナーです。

※2019年4月より日本血栓止血学会認定医制度が新しく施行されます。
認定申請者は、代議員でない場合、業績として50単位以上を取得している必要がありますが、今回のセミナー受講修了者はそのうち20単位取得することができます。


対象:血栓止血学ビギナーズ 若手医師(初期・後期研修医を含む)
日時:2018年10月27日(土)〜10月28日(日)
(1日目 12:55〜22:00(予定) 2日目:8:00〜13:50(予定))

会場:クロス・ウェーブ梅田(大阪市北区神山町1-12 TEL:06-6312-3200)

受講料
20,000円(若手医師)
10,000円(初期・後期研修医)
(参加決定後、事前にお振り込み頂きます)

認定医制度:業績単位    20単位


申込先:オンラインでのお申込になります。お申込みはこちらから
(リンク先:https://www.sec-informations.net/jsth-eseminar/touroku/?cid=58qe8Lpbj

申込締切:2018年8月15日(水)正午

問合先:日本血栓止血学会第6回教育セミナー運営準備室 
E-mail: jsth-eseminar@graffiti97.co.jp


*定員は50名となっております。申込締切後、学年等を考慮し参加者を決定いたします。
*宿泊費・交通費につきましては、受講者負担とさせていただきます。

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:36 | 血栓止血(血管診療)

2018年7月15日

金沢大学第三内科 同門会総会・開講記念会(血液・呼吸器内科)

第35回金沢大学第三内科同門会総会
第50回金沢大学第三内科開講記念会



日時:平成30年7月15日(日)
同門会総会:午後1時00分〜
開講記念会:午後1時30分〜

場所:金沢東急ホテル  5階「ボールルーム」


< 第35回 同門会総会 >
(13:00〜13:20)

1. 同門会長挨拶 :上田 幹夫

2. 役員会報告・会計報告:山崎宏人

3. 会計監査報告:山崎宏人



< 第50回 開講記念会 > (13:30〜15:00)

1. 教授挨拶:中尾 眞二

2. 教室便り(10分間):木村 英晴

3. 優秀研究発表

♢ 血液・移植研究室(司会:近藤 恭夫)(10分間)
 「Immune-Mediated Hematopoietic Failure after Allogeneic Hematopoietic Stem Cell Transplantation: A Common Cause of Late Graft Failure in Patients with Complete Donor Chimerism.」       
丸山 佳奈  

♢ 呼吸器研究室(司会:笠原寿郎)(10分間)
  「Selective gene amplification to detect the T790M mutation in plasma from patients with advanced non-small cell lung cancer (NSCLC) who have developed epidermal growth factor receptor tyrosine kinase inhibitor (EGFR-TKI) resistance.」   
西川 晋吾

♢<金沢大学第三内科 優秀研究賞> 授与  
プレゼンター 上田 幹夫


4. 第三内科先輩からのメッセージ (20分間)
司会:木村 英晴       

♢奈良県立医科大学名誉教授  中 村 忍


5.教授講演(15分間)          司会:笠原 寿郎
「 第3内科(血液・呼吸器内科)の現状と将来 」 
                           中尾 眞二




6.特別講演
(15:10〜16:10)    司会:中尾 眞二 

「医療と文学とエンターテインメント」

海堂 尊 氏(医師・作家)
           

◎記念全体写真(16:20〜16:50)


◎懇親会
(17:00〜)を行います。

落合  務 シェフのトークとパスタをお楽しみ頂きます。

 

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2018年7月9日

金沢大学血液内科学系統講義試験:血栓止血関連検査

平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)


問22.    下記の疾患または病態のうち、検査所見の記載が誤っているものはどれか。1つ選べ。

    出血時間 PT APTT Fbg TT
(1)  老人性紫斑 正常 正常 正常 正常 正常
(2) 血小板無力症 延長 正常 正常 正常 正常
(3) アスピリン内服 延長 正常 正常 正常 正常
(4)  第V因子インヒビター 正常 延長 延長 正常 低下
(5)  先天性第XII因子欠損症 正常 正常 延長 正常 正常


PT:プロトロンビン時間
APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間
Fbg:フィブリノゲン
TT:トロンボテスト




(解説)

(1)    老人性紫斑では、全ての血液凝固検査が正常である。
(2)    血小板無力症 では血小板機能が低下しているため、出血時間は延長する。
(3)    アスピリン内服 では、血小板機能が低下するため、出血時間は延長する。
(4)    第V因子インヒビター では、PT、APTTともに延長する。TT(トロンボテスト)はヘパプラスチンテスト(HPT)と同様に、VII、X、IIの3つの凝固因子を反映している。第V因子インヒビター では、TTは正常である。PTとTT(またはHPT)の乖離現象は診断に有用である。
(5)    先天性第XII因子欠損症では、APTTは延長するが、PTは正常である。



(正答)(4)   

 



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 02:41 | 医師国家試験・専門医試験対策

金沢大学血液内科学系統講義試験:ヘパリンと血小板数低下

平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)


問29.    82歳の女性。

【主訴】全身倦怠感、嘔気。

【現病歴】

60歳代に腎機能低下を指摘され、70歳代より高血圧の治療を受けている。
尿毒症に起因すると思われる全身倦怠感、食欲低下、嘔気を認め、入院となった。

【入院時検査所見】
BUN 90 mg/dL、クレアチニン 6.97 mg/dLより透析の必要な腎不全と診断。
カテーテルを留置して透析を週に3回行った。
なお、カテーテル留置後は毎日ヘパリンロック(ヘパリンを使用してカテーテルが血栓で閉塞しないようにする手技)を実施した。
10日後、血小板数減少が顕著となった(19.8万/μlから6.8万/μl)ため、ヘパリン使用を中止した。


本症例における血小板数減少の精査に最も有用な検査はどれか。1つ選べ。


(1)    骨髄穿刺
(2)    HIT抗体
(3)    クームス試験
(4)    血中トロンボポエチン
(5)    PAIgG(血小板結合性IgG)

 

(解説)
本症例は、ヘパリン起因性血小板減少症(略称:HIT)の症例である。
HIT抗体は重要な検査であるため、しっかりインプットして置きたい。

(1)    骨髄穿刺:行う必要はない。
(2)    HIT抗体:極めて重要な検査である。ヘパリン起因性血小板減少症を疑ったら、まず行う検査である。
(3)    クームス試験:溶血の鑑別診断に行う検査である。
(4)    血中トロンボポエチン:ITP、再生不良性貧血などの鑑別に有用な場合がある。
(5)    PAIgG(血小板結合性IgG):ITP診断の参考になる場合がある。


(正答)
(2) 



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 02:25 | 医師国家試験・専門医試験対策