金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年02月23日

移植後微少残存病変(MRD):造血幹細胞移植後の再発(4)


【心のケア・緩和ケア】

 患者は、初めて病気を告知されたときよりも、造血幹細胞移植後の再発時の方がより強い心理的ストレスを受けます。

 ですから、患者に再発を伝える際には、家族やパートナーの同席を求めたり、専門家に心のケアを依頼したり、段階的に伝えるなどの配慮が望ましいのです。

 長期生存が期待できない場合や患者の希望によっては、緩和ケアも重要な選択肢の1つになります。

 

【自家造血幹細胞移植後再発】

 悪性リンパ腫や多発性骨髄腫が主な対象です。

 同種移植や免疫療法(抗体療法・サイトカイン療法・養子免疫療法)、分子標的療法などが考慮されます。ただし、今のところエビデンスは十分に蓄積されていません。


【造血幹細胞移植後のモニタリング】

 移植後微少残存病変(minimal residual disease: MRD)のモニタリングは、再発の早期発見に有用です。

 しかし、どのくらいの頻度で検査すべきかについては十分検討されていませんでした。

 最近Dominiettoは、AML・ALL 80例を対象にWT-1・VDJ・TCRといった移植後微少残存病変(MRD)マーカーを毎月フォローし、分子再発の時点でドナーリンパ球輸注(DLI)を実施しました。これにより、非再発例に匹敵する良好な予後が得られたと報告されています。再発のリスクが高い患者については、このような頻回の移植後微少残存病変(MRD)検査も考慮すべきかもしれあせん。

 国内での前向き試験の実施が望まれるところです。



【造血幹細胞移植後の再発】

1)治療の種類  

2)免疫療法&白血病再発

3)免疫(抑制)療法

4)移植後微少残存病変(MRD)


【シリーズ造血幹細胞移植前処置としてのATG

1)背景

2)作用機序

3)GVHD予防 

4)晩期効果 

5)急性GVHDに対するpre-emptive ATG療法 

6)臍帯血移植&GVHD


【関連記事】NETセミナー

汎血球減少のマネジメント:特に骨髄不全について

急性骨髄性白血病の治療

悪性リンパ腫の診断

造血幹細胞移植

移植片対宿主病(GVHD)の分類と診断

ドナーリンパ球の威力 −ドナーリンパ球輸注(DLI)−

貧血患者へのアプローチ

輸血後鉄過剰症と鉄キレート療法

血液内科に関する研修医からのQ&A

 

【シリーズ溶血性貧血(PNH、AIHAほか) (8回シリーズ)


【リンク】金沢大学血液内科・呼吸器内科関連

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:15| 血液疾患(汎血球減少、移植他) | コメント(0) | トラックバック(0)

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