金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年02月16日

妊娠とTAT、F1+2

種々の後天性血栓性素因について、凝固活性化マーカーを測定した以前の論文を紹介させていただきます(Thromb Res 93: 71-78, 1999)。

この中でも、正常妊婦の凝固活性化のデータについて注目したいと思います。

関連記事妊娠と凝固活性化状態:プロトロンビンフラグメント1+2(F1+2)



正常妊婦は、妊婦後期30例について検討されています。

【F1+2】この論文時の正常値は、0.4〜0.8(1.2)nMです。

妊婦後期では、2〜7nMに分布していました。正常の経過であっても、播種性血管内凝固症候群(DIC)レベルにまで上昇することがあるというのは驚くべき結果ではないかと思います。


TAT正常値は、<3〜4ng/mLです。

健常人(非妊婦)と比較しますと上昇していますが、2桁(10ng/mL以上)になった妊婦は、1割程度でした。

管理人には、妊娠に伴いTAT、F1+2のいずれも上昇するものの、F1+2の上昇の方が際立っているように感じました。

その原因はよく分かりませんが、ひょっとしたら分子量の違いによるものかも知れません。今後の検討が必用ではないかと思います。


【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 04:27| 血栓性疾患