2010年08月21日
肝障害と抗がん剤治療
黄疸/肝障害のある場合の抗がん剤治療
抗がん剤の多くは肝代謝・肝排泄型であり、肝障害は抗がん剤の代表的な毒性の一つです。
がん患者は、高齢や臓器機能の低下から、抗がん剤治療の時点ですでに肝障害を認めていることも少なくありません。
やむを得ず肝障害を有する患者に抗がん剤治療を行う際には、抗がん剤の用量調整や変更を考慮します。
一方、毒性回避だけを念頭に抗がん剤を過度に減量し、抗がん剤の効果が得られないのも困ります。
次回より、肝障害を有する患者に抗がん剤治療を行う際の、具体的なアプローチについてブログ記事をお届けしたいと思います。
Child-Pugh分類
ポイント | 1点 | 2点 | 3点 |
脳症 | ない | 軽度 | ときどき昏睡 |
腹水 | ない | 少量 | 中等量 |
血清ビリルビン値(mg/dL) | < 2.0 | 2.0-3.0 | > 3.0 |
血清アルブミン値(g/dL) | > 3.5 | 2.8-3.5 | < 2.8 |
プロトロンビン活性値(%) | > 80% | 50-80% | < 50% |
各項目のポイントを加算しその合計点で分類する。
Class A:5-6点 Class B:7-9点 Class C:10-15点
(続く)肝障害症例に対する抗がん剤治療 へ
・血球貪食症候群(HPS)(8回シリーズ)
・溶血性貧血(PNH、AIHAほか) (8回シリーズ)
・造血幹細胞移植後の再発(4回シリーズ)
・造血幹細胞移植前処置としてのATG(6回シリーズ)
【リンク】金沢大学血液内科・呼吸器内科関連
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:02| 血液疾患(汎血球減少、移植他)