金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年02月21日

正着不全:造血幹細胞移植入門(39)

生着不全

 造血幹細胞移植入門(インデックス)


造血幹細胞移植入門:正着不全

生着不全(graft failure)には、以下があります。

1次性生着不全:移植後一度も生着しない

2次性生着不全:生着後造血能が低下する


日本造血細胞移植学会全国調査報告書(平成20年度)によりますと、生着不全率は血縁者間骨髄移植4%、血縁者間末梢血幹細胞移植6%、非血縁者間骨髄移植7%、非血縁者間さい帯血移植27%と、さい帯血移植が突出して高いです(上図)。

日本造血細胞移植学会. http://www.jshct.com/. 2010.

なお、これらはほとんどが1次性生着不全を反映していると考えられます。


2次性生着不全の正確な発生率は不明ですが、再生不良性貧血は2次性生着不全が起こりやすい印象があります。

生着不全はさらに、ドナー血液細胞が全く認められない「拒絶(rejection)」と、ドナー血液細胞がみられる「移植片機能低下(poor graft function)」に分けられます。

拒絶の原因には、患者のNK細胞・T細胞や、抗HLA抗体などの関与が知られています。

Host-versus-donor方向のHLA不適合があれば、拒絶されやすくなります。



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 21:53| 血液疾患(汎血球減少、移植他)