セカンドオピニオン外来(5)インターネットのテレビ電話相談
セカンドオピニオン外来(4)MDSではなく再生不良性貧血より続く。
セカンドオピニオン外来の風景(5) by 中尾眞二
医師にとってのセカンドオピニオン外来の効用
前述のように一人の患者さんに2時間かかるという診療はあまり楽な作業ではない。
ただし、自分の経験や知識によってその患者さんの運命を良い方向に変えられることが時にあるのでこの2時間を苦痛に思うことはあまりない。
むしろ医師冥利に尽きる作業と言っても良いかもしれない。
また、自分を頼ってやって来る患者さんや紹介医に無責任なことは言えないので、患者さんが来院するまでに担当医はその病気について一生懸命調べざるを得ない。
これが実はとても良い勉強になる。
さらに、一度セカンドオピニオンでつながりができた患者さんは、その後も一般外来やメールなどによる診察・相談を希望されることが多いので、顛末が不明のまま診療が途絶えることはなく、長期間にわたって多くの患者さんの経過をみることができる。
このため若い医師には可能な限り積極的にセカンドオピニオン外来を担当するよう勧めている。
将来展望
セカンドオピニオンは、患者が主治医に気を遣うことなく、他の医師の意見を聞けるという意味で、良い制度であることは間違いない。
従来であれば、他の医師に診てもらうために紹介状を依頼するのに気が引けていた患者も、この制度を利用すれば遠慮なく主治医に紹介状を依頼することができる。
ただ、何といっても保険外診療であるため値段が高いことが欠点である。
遠方からの来院では診療費以上に交通費がかかるという問題もある。
これを解決するための一つの方策は、インターネットを用いたテレビ電話相談であろう。
Face to faceで話を聞くことに勝るものはないとは言え、画像資料や患者さんの表情をみながら説明ができれば、直接来院するのとあまり変わらない面接効果が得られると思われる。
病院収入に繋げるためにどのように料金を設定するかという問題はあるが、テレビ電話が一般化すれば、日本中あるいは世界中で不適切な医療を受けている(可能性のある)患者さんを救済できるのではないかと夢想している。
(続く)セカンドオピニオン外来:インデックスへ
<リンク>:臨床に直結する血栓止血学
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:24| その他