2016年01月07日
金沢で学会をやるということ(7)学術集会に対するフィードバック
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。
今回は、教授ノートです。
金沢で学会をやるということ(7)学術集会に対するフィードバック
by 中尾眞二教授
学会の数か月前になって、学会に参加するという海外演者の確認が取れていないことが分かる、国内留学中の外国人の抄録が査読に回っていなかった、などの信じがたいアクシデントもいくつかありましたが、学会が始まってみると、演者が来られない所謂ドタキャンや事故などの大きなトラブルもなく、好天にも恵まれて学術集会は盛会のうちに終わりました(写真:ポスター会場風景)。
学会に参加した多くの人達からは、主催者のおもてなしの心に溢れたよい学会だったという言葉を頂きました。
学会を手伝ってくれた教室員や事務の人達の温かい気持ちが現れていたのだと思います。
予想外だったのは、多くの先生方から、個人的なメールや手紙で学会の感想を知らせてもらったことです。
その多くは普段から親交のある先輩や学会員からのものでしたが、全く面識のない先生からも素晴らしい学会だったという手紙やハガキをもらいました。
それぞれの方に返事するのに1週間近くかかりました。
肝心の会長講演については、自己免疫性造血不全の話を聞いた何人かの先生から、初めて聞く疾患概念だったので驚いた、というコメントをもらいました。
講演の中心テーマの一つは、「骨髄巨核球が少ない血小板減少症は、再生不良性貧血と同様にTリンパ球による造血不全である」だったのですが、私の尊敬する大阪の高名な先生から「先生が言っていた巨核球の少ない血小板減少症の人は、自分は特発性血小板減少性紫斑病と診断してたけど、何ぼでもおったで」と講演後に言われたときは、してやったりと思いました。
一つ笑い話がありました。
会長講演を聞いていた教室員が、聴衆の中に感動して泣いていた人が少なからずいたと言うのです。
感心してもらうつもりで話はしましたが、感涙させるような話をした覚えはなかったので、おかしいなと思いました。
実は講演の最後に内助の功に感謝するため家内と一緒の写真(写真:会長講演最後のスライド:山崎君撮影)を出しました。
その時に、家内が昔私の患者だったという話をしたために、白血病のような重篤な病気を克服した、という美談と勘違いされた方がかなりいたようです。
ちなみに家内はギラン・バレー症候群だったので、1週間ほど入院しただけで自然治癒したというのが真相です。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:53| 研修医の広場