超高齢社会を見据えた未来医療予想図(4)認知症
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報からです。
今回は、特別講演です。
飯島勝矢先生 特別講演
(金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会:平成27年6月21日)
超高齢社会を見据えた未来医療予想図(4)
〜フレイル予防からケアまでを俯瞰した地域包括ケアシステム構築〜」
<地域包括ケアシステム、その中の在宅医療介護連携>
医療介護は、前半のテーマです。
地域包括ケアシステムが何年も前に国策として出されました。
それをどう解釈するのか、どう地元の事情に照らし合わせるのかまちまちですが、国の方針としての医療介護の問題があります。
ケアマネージャーさんがお医者さんに電話をかけるときも、また怒られるかと躊躇する状況が大分前にありましたが、それが是正されてきました。
今日も、明日も、きっとどこかの都道府県のどこかの街で医療メンバーと介護メンバーが、顔の見える会議をされています。
これは5〜10年前はあまりみられなかったスタイルです。
認知症の方が現在は400万人います。
あとその一歩手前、MCI (Mild Cognitive Impairment) つまり軽度認知機能低下の方々が400万人で、合計800万人と言われます。
リン酸化タウ蛋白やアミロイドβなどの原因物質が分かってきていますが、革新的な治療法はありません。
動物実験ではうまくいくけれど、臨床ではあと一歩進まない段階である事もご存知だと思います。
地域でのケア体制が盤石か脆弱かという事が大きく問われています。
<認知症>
僕自身は循環器内科で始めましたし、その後は老年医学に方向性を変えました。
先生方も呼吸器分野や血液分野などサブスペシャリティーを極めておられます。
なるべく長寿というものを達成しようと、我々も追い求めてきたということになります。
しかし、長寿時代がかなり進んできておりますが、健康長寿自体をどこまで伸ばすことが出来るのか、そして高い生活の質をどこまで維持できるのか、非常に大きな問題です。
そうしますと、後ほどお話しますが、サルコペニア、ロコモ、認知症は加齢に伴い自然に増えていきます。
これはAge dependenceだからこそ、長寿社会を達成した国では自然的に増えていくことは避けられないのでしょう。
2014年11月にアジアの国の厚労大臣のミニサミットがあって、私もアカデミア代表で呼ばれて行きました。
他の国も認知症の徘徊老人に非常に悩んでいるとのコメントもお聞きしました。
(続く)
★ 本稿は、東京大学 高齢社会総合研究機構 飯島勝矢先生のご講演をを拝聴した事務局が原稿化したものです。もし内容に不正確な部分があった場合には当事務局の責任ですので、ご容赦お願いします。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:42| その他