超高齢社会を見据えた未来医療予想図(2)消えて行く自治体
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報からです。
今回は、特別講演です。
飯島勝矢先生 特別講演
(金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会:平成27年6月21日)
超高齢社会を見据えた未来医療予想図(2)
〜フレイル予防からケアまでを俯瞰した地域包括ケアシステム構築〜」
<高齢化の地域差、そして消えて行く自治体とは>
2025年に向けて、高齢者自身の人口数に関する47都道府県のグラフを見てみると、高齢者率と高齢者数との2パラメーターで表現可能です。
そうしますと、高齢者数に焦点を合わせてみると、特に東京都や大阪府を中心に、8つから9つくらいの都道府県でダイナミックに急増していきます。
一方、地方圏では高齢者の人数自体は都内ほど激増しないかもしれません。
しかし、若者の流出や少子化などの諸問題によって、高齢者数は増えなくとも、むしろ高齢者率は増加する可能性は非常に高いです。
半年前の新聞に「消えて行く自治体」というタイトルの日本列島の地図が掲載されている記事は出ておりました。
若いママさん達が子供を産んで、そこに居ついてくれるかどうかが鍵なのでしょうし、さらには働きたいけれど子供を預ける場所がない待機児童の問題も大きくのしかかっております。
一方で、実は都内で人口を増やしている地域もあり、そこには待機児童対策に力を入れているような背景がどうもあるようです。
新聞、TVで、2025年問題という言葉がよく取り上げられます。
これは、2025年に大きな変化があって2026年から何かが変わるという話ではなくて、2025年から2040年にかけて大きな高齢化の波が来るわけであり、ある意味、ダイナミックなスタート地点であると言っても過言ではありません。
75歳以上の後期高齢者が20%以上、つまり5人に1人は後期高齢者になると言われています。
すなわち、後期高齢者が2025年には1500〜1600万人、2039年には1690万人になると推測されています。
(続く)
★ 本稿は、東京大学 高齢社会総合研究機構 飯島勝矢先生のご講演をを拝聴した事務局が原稿化したものです。もし内容に不正確な部分があった場合には当事務局の責任ですので、ご容赦お願いします。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:31| その他