2009年4月19日
INR&F1+2と副作用&効果判定:血液凝固検査入門(37)
PT-INRと血栓塞栓症:血液凝固検査入門(36)から続く。
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ワルファリン(商品名:ワーファリン)による経口抗凝固療法を行っている場合のモニタリングは、プロトロンビン期間(prothrombin time:PT)のPT-INRやトロンボテストにより行うのが一般的です。
ただし、前回記事(PT-INRと血栓塞栓症:血液凝固検査入門(36))に書かせていただいたように、PT-INRが高値になりすぎますと出血のリスクが高くなりますが、PT-INRのレベルとは関係なく血栓塞栓症は生じてしまっています。
つまり、PT-INRでは出血(副作用)のモニタリングはできても、効果判定には使用できないことになります。
やはり、PT-INRによる評価のみでなく、ワーファリンによって凝固活性化がどの程度是正されたかという評価も重要です。管理人たちは、この目的のために、プロトロンビンフラグメント1+2(prothrombin fragment 1+2:F1+2)を用いています。外来でワーファリンコントロール中の患者さんの凝固検査は、INRとF1+2をセットで行っています。
ただし、このあたりの考え方は専門家の間でも意見が分かれるところだと思います。管理人らの、個人的見解ということでご容赦いただければと思います。
(補足)
凝固活性化マーカーとしましては、F1+2の他にはTATなどもありますが、TATは高値には敏感なマーカーですが、正常域近傍では感度が今一つなのと、正常値よりも低値を評価することはできません(ワーファリン投与中には、十分なコントロールが得られている場合にはF1+2は、正常値よりも低値になります)。そのため、ワーファリン時の効果判定のモニタリングには、F1+2を用いています。
(続く)
PT-INR、APTTと抗凝固療法:血液凝固検査入門(38)
PT-INRは、以下の記事を御参照いただければと思います。
・PT(PT-INR)とは? 正常値、ワーファリン、ビタミンK欠乏症
・PT-INRとは(正常値、PTとの違い、ワーファリン)?
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 11:13 | 凝固検査 | コメント(0) | トラックバック(0)