金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年11月16日

出血症状、腹部大動脈瘤:金沢大学統合卒業試験

金沢大学医学部医学科では6年生対象に、先日、統合卒業試験が行われました(2009年11月12日)。

プレ医師国家試験的な意味合いと、卒業試験的な意味合いがあるのだと思っています。

統合卒業試験では、当科(金沢大学第三内科)と関連のある血液内科呼吸器内科の問題も出題されていますので、それらの問題の紹介と簡単な解説を加えたいと思います。



設問

72歳男性。抜歯時に止血困難をきたしたため、精査目的に来院した。身体所見では、腹部に拍動性腫瘤を触知し、bruitを聴取した。また、抜歯部位からの出血が持続していた。

血液学的検査:白血球 5,200、赤血球 416万、Hb 14.1g/dl、血小板 6.2万、ALT 36単位、クレアチニン 0.9mg/dl、LDH 205単位(基準115-245)、PT 16.8秒(基準10〜14)、APTT 34.1秒(基準対照32.2)、フィブリノゲン87 mg/dl(基準200〜400)、FDP 68μg/ml(基準10以下)、CRP 0.1 mg/dl(基準0.3以下)、PIVKA-IIは陰性。



本症例における血液検査所見として誤ったものはどれか。
 

a プラスミノゲンの上昇
b 架橋化フィブリン分解産物(Dダイマー)の上昇
c プロトロンビンフラグメント1+2(F1+2)の上昇
d トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)の上昇
e プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)の上昇

 

【解説】

腹部大動脈瘤に合併した播種性血管内凝固症候群(DIC)線溶亢進型DIC)の症例と考えられます。DICでは、DダイマーF1+2TATPICの上昇がみられます。一方、プラスミノゲンは低下します。

【正答】 a

 

【シリーズ記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 19:07 | 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

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