金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2018年7月9日

金沢大学血液内科学系統講義試験:血栓止血関連検査

平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)


問22.    下記の疾患または病態のうち、検査所見の記載が誤っているものはどれか。1つ選べ。

    出血時間 PT APTT Fbg TT
(1)  老人性紫斑 正常 正常 正常 正常 正常
(2) 血小板無力症 延長 正常 正常 正常 正常
(3) アスピリン内服 延長 正常 正常 正常 正常
(4)  第V因子インヒビター 正常 延長 延長 正常 低下
(5)  先天性第XII因子欠損症 正常 正常 延長 正常 正常


PT:プロトロンビン時間
APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間
Fbg:フィブリノゲン
TT:トロンボテスト




(解説)

(1)    老人性紫斑では、全ての血液凝固検査が正常である。
(2)    血小板無力症 では血小板機能が低下しているため、出血時間は延長する。
(3)    アスピリン内服 では、血小板機能が低下するため、出血時間は延長する。
(4)    第V因子インヒビター では、PT、APTTともに延長する。TT(トロンボテスト)はヘパプラスチンテスト(HPT)と同様に、VII、X、IIの3つの凝固因子を反映している。第V因子インヒビター では、TTは正常である。PTとTT(またはHPT)の乖離現象は診断に有用である。
(5)    先天性第XII因子欠損症では、APTTは延長するが、PTは正常である。



(正答)(4)   

 



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血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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金沢大学血液内科学系統講義試験:ヘパリンと血小板数低下

平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)


問29.    82歳の女性。

【主訴】全身倦怠感、嘔気。

【現病歴】

60歳代に腎機能低下を指摘され、70歳代より高血圧の治療を受けている。
尿毒症に起因すると思われる全身倦怠感、食欲低下、嘔気を認め、入院となった。

【入院時検査所見】
BUN 90 mg/dL、クレアチニン 6.97 mg/dLより透析の必要な腎不全と診断。
カテーテルを留置して透析を週に3回行った。
なお、カテーテル留置後は毎日ヘパリンロック(ヘパリンを使用してカテーテルが血栓で閉塞しないようにする手技)を実施した。
10日後、血小板数減少が顕著となった(19.8万/μlから6.8万/μl)ため、ヘパリン使用を中止した。


本症例における血小板数減少の精査に最も有用な検査はどれか。1つ選べ。


(1)    骨髄穿刺
(2)    HIT抗体
(3)    クームス試験
(4)    血中トロンボポエチン
(5)    PAIgG(血小板結合性IgG)

 

(解説)
本症例は、ヘパリン起因性血小板減少症(略称:HIT)の症例である。
HIT抗体は重要な検査であるため、しっかりインプットして置きたい。

(1)    骨髄穿刺:行う必要はない。
(2)    HIT抗体:極めて重要な検査である。ヘパリン起因性血小板減少症を疑ったら、まず行う検査である。
(3)    クームス試験:溶血の鑑別診断に行う検査である。
(4)    血中トロンボポエチン:ITP、再生不良性貧血などの鑑別に有用な場合がある。
(5)    PAIgG(血小板結合性IgG):ITP診断の参考になる場合がある。


(正答)
(2) 



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血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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金沢大学血液内科学系統講義試験:大動脈瘤のDIC

平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)


問28.    72歳の男性。

【主訴】労作時息切れ

【現病歴】
63歳時に胸腹部大動脈瘤を指摘され、71歳時に人工血管置換術が施行された。
経過観察されていたが今回特に誘因なく左大腿部の疼痛に加え、翌日にはふらつき、息切れを自覚したため医療機関を受診。
貧血の進行と左大腿部の皮下血腫を認め、精査加療目的に入院となった。

【入院時血液検査所見】
Hb 7.0 g/dL、血小板数 9.1万/μL
PT 13.1秒、APTT 29.0秒、フィブリノゲン 68 mg/dL、FDP 172.7 mg/mL(基準<5.0)、D-ダイマー 79.9 μg/mL(基準<1.0)
アンチトロンビン(AT)114%、プラスミノゲン 79%、α2PI 97%
TAT 82.5 ng/mL(基準<4.0)、PIC 18.4 μg/mL(基準<0.8)
Cr 2.6 mg/dL

【経過】
入院後出血に伴う貧血の進行をみとめたため、赤血球輸血をおこなった。
同時にメシル酸ナファモスタット持続点滴を開始したところ出血症状の改善がみられたが、同薬の副作用と考えられる高K血症をみとめたため、同薬を中止して他薬に変更した。


入院時血液検査所見に誤った記載が1箇所ある。1つ選べ。

(1)    α2PI
(2)    APTT
(3)    D-ダイマー
(4)    フィブリノゲン
(5)    アンチトロンビン




(解説)

本症例は、大動脈瘤に起因した線溶亢進型DICである。

1)典型的な線溶亢進型DICでは、α2PIは著減するのが特徴である。
2)線溶亢進型DICでは、APTTが延長しないことが多い。むしろ短縮することもある。本年の医師国家試験では、急性前骨髄球性白血病(APL)に起因したDIC症例が出題されているが、APTTは正常になっている。
3)線溶亢進型DICでは、FDPもD-ダイマーも上昇するが、特にFDPは著増するために、FDPとD-ダイマーの間に乖離現象が見られる。上記の、本年の医師国家試験の症例でも、FDPとD-ダイマーの間に大きな乖離現象が見られている。
4)線溶亢進型DICでは、フィブリノゲンは著減する。
5)線溶亢進型DICでは、肝不全の合併がなければ、アンチトロンビンは低下しない。APLではむしろ上昇することもある。




(正答)
 (1)   

 

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金沢大学血液内科学系統講義試験:血戦止血領域

平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)

赤字が正答です。


問23.    出血と血栓の両病態がみられる疾患・病態として誤っているものはどれか。1つ選べ。


(1)    HELLP症候群
(2)    本態性血小板血症
(3)    Bernard-Soulier症候群
(4)    ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
(5)    ワルファリン起因性皮膚壊死(warfarin induced skin necrosis)



問24.    典型的な抗リン脂質抗体症候群(APS)に関する記載内容として、誤っているものはどれか。1つ選べ。

(1)    動脈血栓症では脳梗塞が最も多い。
(2)    静脈血栓症では深部静脈血栓症が最も多い。
(3)    APTTの延長が、正常血漿の添加で是正される。
(4)    不育症患者でループスアンチコアグラントが陽性であればAPSである。
(5)    習慣性流産の女性に対しては、アスピリン内服とヘパリン皮下注の併用が有効である。



問25.    播種性血管内凝固症候群(DIC)について誤っているものはどれか。1つ選べ。

(1)    敗血症では、FDPが著増する。
(2)    常位胎盤早期剥離では、フィブリノゲンが著減する。
(3)    羊水塞栓では、可溶性フィブリンモノマーが著増する。
(4)    腹膜炎では、プラスミノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)が著増する。
(5)    急性前骨髄球性白血病では、プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)が著増する。



問26.    血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)および溶血性尿毒症症候群(HUS)の両者に共通した所見の記載として誤っているものはどれか。1つ選べ。


(1)    赤血球破砕像
(2)    血清LDH上昇
(3)    血清間接ビリルビンの上昇
(4)    血清ハプトグロビンの低下
(5)    血清ADAMTS13活性の低下



問27.    血栓止血関連疾患の検査・治療に関する記載として正しいものはどれか。1つ選べ。


(1)    健常人は、PT-INR 1.5前後である。
(2)    妊娠により血中プロテインC活性が低下する。
(3)    von Willebrand病の出血に対しては、遺伝子組換え第VIII因子製剤が有効である。
(4)    心房細動に起因する脳塞栓の発症予防としては、直接経口抗凝固薬(DOAC、新規経口抗凝固薬 NOACとも言う)内服が有効である。
(5)    オスラー病(遺伝性出血性毛細血管拡張症、遺伝性出血性末梢血管拡張症とも言う)の出血に対しては、血漿由来第VIII因子製剤が有効である。

 

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金沢大学血液内科学系統講義試験:輸血関連

平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)

赤字が正答です。


問30.    血小板製剤について誤っているものはどれか。1つ選べ。


(1)    主に成分献血から製造される。
(2)    室温(20〜24℃)で振とう保存する。
(3)    輸血に際して交差適合試験は不要である。
(4)    成人では2単位製剤の輸血が一般的である。
(5)    採血日を1日目として採血後4日間使用できる。
   


問31.    不規則抗体について正しいものはどれか。1つ選べ。

(1)    主にIgMである。
(2)    陽性率は10-20%である。
(3)    急性溶血を来たしやすい。
(4)    輸血歴のない妊婦でも保有していることがある。
(5)    種々の抗原を持つAB型赤血球を患者血清が凝集させるかどうかで判定する。



問32.    輸血後GVHDの予防対策として有効なものはどれか。


(1)    自己血輸血
(2)    免疫抑制剤投与
(3)    血縁者からの輸血
(4)    白血球除去フィルター
(5)    血液製剤への放射線照射

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問33.    ABO不適合輸血に伴う急性溶血について正しいものはどれか。


(1)    死亡率は約80%である。
(2)    即時型血管内溶血が起こる。
(3)    溶血の原因に補体系の活性化が関与している。
(4)    原因として最も多いのは血液型判定のミスである。
(5)    AB型患者にO型赤血球製剤を輸血した時に生じることが多い。

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問34.    手術時の輸血について誤っているものはどれか。1つ選べ。

(1)    出血量が循環血液量の20%以内であれば、通常、赤血球輸血を必要としない。
(2)    予測出血量が少なく輸血の可能性が低い待機手術では、一般にtype & screen法が採用されている。
(3)    SBOE(surgical blood order equation)はMSBOS(maximum surgical blood order schedule)より準備血液量が少なくて済むメリットがある。
(4)    MSBOSとは、平均出血量の1.5倍以下の血液製剤をあらかじめ交差適合試験を行った上で準備しておく方式をいう。
(5)    冠動脈疾患・肺機能障害・脳循環障害を有する患者の手術時は、Hb値を12 g/dL以上に保つように赤血球輸血を行う。



問35.    HLA適合同胞ドナーからの同種骨髄移植よりも、自家末梢血幹細胞移植を行うことが多い疾患はどれか。


(1)    多発性骨髄腫
(2)    急性骨髄性白血病
(3)    骨髄異形成症候群
(4)    急性リンパ性白血病
(5)    ホジキンリンパ腫の再発

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問36.    急性GVHDの重症度を判定する際に評価の対象となる症状はどれか。

(1)    発熱
(2)    黄疸
(3)    下痢
(4)    皮疹
(5)    意識障害

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:49 | 医師国家試験・専門医試験対策

金沢大学血液内科学系統講義試験:骨髄腫、白血病など

平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)

赤字が正答です。


問12.    52歳女性。

頚部リンパ節の生検で、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断された。
FDG-PET/CTでは両側頚部・左腋窩・腸間膜にそれぞれ3センチ大のFDG異常集積を伴うリンパ節が認められたが、リンパ節以外にFDG異常集積病変は無かった。
入院前日まで仕事と家事を普通にこなしていた。
体重減少や寝汗は認めていない。
骨髄生検では骨髄浸潤の所見はみられなかった。
LDHは420 IU/l(基準176〜353)、可溶性IL-2レセプター 2500 IU/ml(基準127〜582)であった。

この患者のアグレッシブリンパ腫の国際予後指標(International Prognostic Index: IPI)(1項目1点)を求めよ。

国際予後指数( 2 )点



問13.    骨髄腫について誤っているものはどれか。


(1)    t(14;16)の染色体異常を有する例は予後良好である。
(2)    G-Bandingによる染色体検査では染色体異常の検出率が高い。
(3)    骨病変対策として用いるビスフォスフォネート製剤の重大な副作用は顎骨壊死である。
(4)    重篤な合併症がなく心肺機能が正常な65歳以下の症例は、自家末梢血幹細胞移植の適応である。
(5)    血清アルブミン値と血清2ミクログロブリン値を組み合わせることによって予後予測が可能である。

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問14.    多発性骨髄種の診断において骨髄腫診断事象(MDE: myeloma-defining event)の臓器障害に含まれるのはどれか。

(1)    貧血
(2)    腎不全
(3)    骨病変
(4)    心不全
(5)    アミロイドーシス

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問15.    ミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色陽性、特異的エステラーゼ染色陰性、非特異的エステラーゼ染色が陽性であった場合に考えられる疾患はどれか。1つ選べ。

(1)    赤白血病
(2)    急性単球性白血病
(3)    急性骨髄単球性白血病
(4)    急性巨核芽球性白血病
(5)    最未分化型急性骨髄性白血病



問16.    フローサイトメトリーによる表面マーカー解析が診断に有用でない疾患はどれか。1つ選べ。

(1)    多発性骨髄腫
(2)    骨髄異形成症候群
(3)    急性リンパ性白血病
(4)    慢性リンパ性白血病
(5)    慢性骨髄性白血病(慢性期)



問17.    急性白血病に関する記述で正しいものはどれか。


(1)    成人では骨髄性よりリンパ性の方が多い。
(2)    FLT3遺伝子変異を伴うと予後良好である。
(3)    一部の病型はDown症候群に合併しやすいことが知られている。
(4)    Core binding factor白血病に対し大量シタラビン(Ara-C)療法が有効である。
(5)    WHO分類で急性骨髄性白血病と診断する際の芽球の割合は30%以上である。

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問18.    疾患名とその疾患に特徴的な染色体異常、遺伝子異常の結びつきで誤っているものはどれか。1つ選べ。

(1)    慢性骨髄性白血病 − t(9;22)
(2)    急性前骨髄球性白血病 − t(15;17)
(3)    本態性血小板血症 − JAK2遺伝子のV617変異
(4)    好酸球増多を伴う急性骨髄単球性白血病 − inv(16)
(5)    真性多血症/真性赤血球増加症 − CALR遺伝子変異



問19.    疾患名と検査所見の結びつきで誤っているものはどれか。1つ選べ。


(1)    骨髄線維症 — 涙滴赤血球
(2)    急性前骨髄球性白血病 — Auer小体
(3)    急性単球性白血病 — 尿中リゾチーム高値
(4)    慢性骨髄性白血病 — 末梢血中の幼若顆粒球
(5)    真性多血症/真性赤血球増加症 — エリスロポエチン高値



問20.    疾患名と症状・身体所見の結びつきで誤っているものはどれか。1つ選べ。


(1)    原発性骨髄線維症 − 巨脾
(2)    慢性骨髄性白血病 − 歯肉腫脹
(3)    急性前骨髄球性白血病  − 出血傾向
(4)    真性多血症/真性赤血球増加症 − 血栓症
(5)    本態性血小板血症 − 無症状のことが多い(健診等で偶然指摘)



問21.    慢性骨髄性白血病の治療に通常用いない薬剤はどれか。

(1)    イマチニブ
(2)    ニロチニブ
(3)    ダサチニブ
(4)    アナグレリド
(5)    ルキソリチニブ

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)

 

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血液内科学系統講義試験:貧血、リンパ腫など

平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)

赤字が正答です。


問4.    鉄欠乏性貧血の診療に関する記載のうち正しいものはどれか。


(1)    時に血小板が増加する。
(2)    回腸切除例では鉄欠乏が起こりやすい。
(3)    経口鉄剤は胃切除例に対しては無効である。
(4)    血清中の鉄は全てトランスフェリンに結合している。
(5)    鉄欠乏の原因を検索することがもっとも重要である。

a. (1) (2) (3) b. (1) (2) (5) c. (1) (4) (5) d. (2) (3) (4) e. (3) (4) (5)



問5.    治療法で正しい結びつきはどれか。

(1)    輸血後鉄過剰症 − 瀉血
(2)    βサラセミアマイナー − 脾摘
(3)    骨髄異形成症候群 − イマチニブ
(4)    メトヘモグロビン血症 − 高気圧酸素療法
(5)    自己免疫性溶血性貧血 − 副腎皮質ステロイド

a. (1) (2) (3) b. (1) (2) (5) c. (1) (4) (5) d. (2) (3) (4) e. (3) (4) (5)



問6.    骨髄異形成症候群に関する記載のうち正しいものはどれか。


(1)    被爆者で頻度が高い。
(2)    第7染色体異常陽性例の予後は特に悪い。
(3)    何らかの遺伝子異常はほとんどの例に検出される。
(4)    5q-症候群に対し、アザシチジン療法が有効である。
(5)    骨髄細胞における形態異常の強さは予後因子の一つである。

a. (1) (2) (3)
 b. (1) (2) (5) c. (1) (4) (5) d. (2) (3) (4) e. (3) (4) (5)



問7.    ヒト造血に関する記載で正しいものはどれか。

(1)    成人では主に長管骨で造血が行われている。
(2)    造血幹細胞の多くは細胞周期の静止期にある。
(3)    胎生2か月目の造血は肝や脾臓で起こっている。
(4)    臍帯血中には骨髄以上に高濃度の造血幹細胞が存在する。
(5)    同種骨髄移植後に好中球が増え始めるのは移植後21日目以降である。

a. (1) (2) (3) b. (1) (2) (5) c. (1) (4) (5) d. (2) (3) (4) e. (3) (4) (5)



問8.    IgG型M蛋白が検出されない疾患はどれか。

(1)    POEMS症候群
(2)    無症候性骨髄腫
(3)    非分泌型骨髄腫
(4)    原発性マクログロブリン血症
(5)    monoclonal gammopathy of undetermined significance(MGUS)

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問9.    ホジキンリンパ腫に関する記載の中で正しいものはどれか。


(1)    標準的治療はABVD療法である。
(2)    発熱や炎症反応を伴うことが多い。
(3)    若年者では混合型(mixed cellularity; MC)が多い。
(4)    難治例に対しCD20を標的としたリツキシマブが有効である。
(5)    腫瘍細胞の周辺に存在しているのは主に制御性T細胞である。

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問10.    治療法で正しい結びつきはどれか。


(1)    未分化大細胞型リンパ腫 — R-CHOP療法
(2)    MALTリンパ腫 — ヘリコバクター・ピロリの除菌
(3)    濾胞性リンパ腫 — 90Y標識イブリツモマブ(抗CD20抗体)
(4)    成人T細胞性白血病/リンパ腫 — モガムリズマブ(抗CCR4抗体)
(5)    節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型 — ブレンツキシマブ(抗CD30抗体)

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問11.    次の文章の中で正しいものはどれか。

(1)    マントル細胞リンパ腫は予後良好である。
(2)    ホジキンリンパ腫においてEBウイルスの関与は稀である。
(3)    血管内大細胞型B細胞リンパ腫は不明熱の重要な鑑別疾患である。
(4)    ALK陽性未分化大細胞型リンパ腫の予後はALK陰性のものよりも良好である。
(5)    B細胞性リンパ腫の中でもっとも多いのはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫である。

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)

 

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平成30年度血液内科学系統講義試験(金沢大学)

平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)

 
問1.    スライドの細胞は何か?細胞名を記入せよ。(スライド省略)

1)  (単球)
2)  (好酸球)
3)  (リンパ球)
4)   (巨核球)
5)   (赤芽球)


問2.    次の文の括弧の中に適切な言葉を記入せよ。

1) 骨髄生検は()骨で行う。
2)血漿から(フィブリン)を除いたものが血清である。
3)EDTA採血は血液細胞の(形態)観察に適している。
4)血清フェリチンは( 肝 )炎や膵炎などで増加する。
5)骨髄の赤芽球で最も幼若なものは(前赤芽球)である。
6)末梢血における網赤血球の寿命は約( 2 )日である。
7)骨髄塗沫標本の鉄染色で観察するのは(赤芽球)である。
8)造血幹細胞は自己(複製)能と分化能を併せ持っている。
9) (トロンボポエチン(略称「TPO」))レセプター作動薬は、造血幹細胞を増殖させる効果がある。
10)(アズール(英語:Azur))顆粒の多いリンパ球は細胞傷害性Tリンパ球やNK細胞である。
11)慢性骨髄性白血病では末梢血の(好塩基球)の増加や幼若顆粒球の出現が特徴的である。
12)出血傾向のうち、ecchymosisが起こるのは通常(凝固因子)が欠乏しているときである。
13)リンパ系腫瘍における腫瘍マーカーには、LDH、β2ミクログロブリン、(可溶性インターロイキン2レセプター(略称「sIL-2R」、英和混ざりok))などがある。
14)フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の予後は(チロシン)キナーゼの開発によって著明に改善された。
15)胸腺に存在する未成熟なT細胞由来のリンパ腫とは対照的に、成熟したT細胞由来の腫瘍は(末梢性)T細胞リンパ腫と呼ばれる。



問3.    60歳の女性。

高血圧のため循環器内科通院中に軽度の貧血を指摘されていたが、二次検査は勧められなかった。2018年3月の定期受診時に貧血に加えて血小板減少もみられたため、血液内科に紹介された。
血液検査では白血球数5380/μl、 赤血球数320万/μl、ヘモグロビン13.1 g/dL、ヘマトクリット40.0%、血小板数9.2万/μl、であった。8年前に乳がんの術後に化学療法を受け、その後再発の徴候はない。

1)MCV(四捨五入)値を冪数(10X)表示の単位をつけて記載せよ。(125 x10-15L
2)次に行うべき検査は何か? (骨髄穿刺

 

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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2018年5月10日

血便、焼肉、血小板低下(医師国家試験)

医師国家試験の再現問題です。


10歳の女児。血便を主訴に父親と来院した。

6日前に家族と焼肉を食べに行った。
3日前から水様下痢が出現し、昨日からは血便になり激しい腹痛を自覚するようになったため受診した。

身長135cm、体重32kg。体温37.2℃ 。脈拍84/分、整。血圧120/70mmHg。

血液所見:
赤血球250万、:Hb8.2g/dL、Ht25%、自血球9,000(得状核好中球10%、分葉核好中球70%、リンパ球20%)、血小板8.0万。

末柏血塗休May―Giemsa染色標本を別に示す(省略:砕赤血球の存在)。


この患者が合併しやすいのはどれか。


a 急性腎障害
b 急性肝不全
c 潰瘍性大腸炎
d 自己免疫性溶血性貧血
e 播種性血管内凝固 (DIC)



(解説)
・「小児」、「焼肉を食した」、「血便」はポイントになっています。

・貧血、血小板数低下、末梢血液像での破砕赤血球の存在は、血栓性微小血管障害症(TMA)を想起します。

・TMAには、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、溶血性尿毒症症候群(HUS)、HELLP症候群(妊娠合併症)、造血幹細胞移植後などがあり、これらの疾患が鑑別に上がります。

・近年は、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)も話題になっていますが、まだ医師国家試験レベルではないでしょう。

・小児、焼肉、血便、血液検査(赤血球破砕像、貧血、血小板数低下)から、溶血性尿毒症症候群(HUS)と診断されます。


a  急性腎障害は、HUSの特徴の一つです。

b  急性肝不全は、HELLP症候群で見られます。

c  潰瘍性大腸炎は、本症例では血便以外には一致した所見はありません。ただし、潰瘍性大腸炎では、深部静脈血栓症を合併しやすいことは知っておきたいです。

d  自己免疫性溶血性貧血を示唆する所見はありません。

e  DICの診断のためには、血小板数以外に、FDP(またはD-ダイマー)、フィブリノゲン、プロトロンビン時間などの情報が必須です。


(正答) a



(備考)

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)


<本態>

微小血管内皮障害および血小板活性化により微小な血小板血栓が多発し、血小板数低下に伴う出血傾向とともに、動揺する精神症状をきたします。

<発症機序>
von Willebrand因)切断酵素(ADAMTS13)に対する自己抗体が出現し、この酵素活性が著減。その結果、unusually large vWFが出現し血小板凝集が進行。

<五主徴>
1.血小板数減少
2.溶血性貧血(赤血球破砕像)
3.動揺する精神症状
4.腎障害
5.発熱

<検査>

・血小板数減少、赤血球破砕像(+)
・溶血性貧血の所見:間接ビリルビンの上昇、LDHの上昇、ハプトグロビンの低下。

<治療>
血漿交換、新鮮凍結血漿輸注、副腎皮質ステロイド。
濃厚血小板は禁忌。




溶血性尿毒症症候群(HUS)

<本態>

(TTPとの相違点)腎不全の合併。小児に多いです。

<発症機序>
ADAMTS13に対する自己抗体の出現はありません。
病原性大腸菌の産生するVero毒素が原因となることが多いです。

<三主徴>
1. 血小板数減少
2. 溶血性貧血(赤血球破砕像)
3. 急性腎不全。

<検査>

TTPと同じ + 腎不全の所見。

<治療>
腎不全の治療、血漿交換など。

 

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血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:43 | 医師国家試験・専門医試験対策

深部静脈血栓症、プラスミノゲン活性化抑制因子1(医師国家試験)

医師国家試験の再現問題です。


深部静脈血栓症の発症リスクとなるのはどれか.2つ選べ.


a アンチトロンビン欠乏症
b 第XIII因子欠損症
c フィブリノゲン欠乏症
d プラスミノゲン活性化抑制因子1欠損症
e プロテインS欠乏症



(解説)

a アンチトロンビンは、プロテインC、プロテインSとともに、生理的な凝固阻止因子です。

b 第XIII因子は、フィブリンを架橋結合して安定化させます。第XIII因子の著明な低下は出血症状をきたします。

c フィブリノゲンは止血の最終段階で、トロンビンの作用によりフィブリンに転換します。フィブリノゲンの低下は出血傾向となります。

d プラスミノゲン活性化抑制因子1(plasminogen activator inhibitor 1:PAI-1)は、組織プラスミノゲンアクチベーター(tissue plasminogen activator:t-PA)と1対1結合することで、線溶阻止的に作用します。

e 先手性プロテインS欠乏症(日本人では1/55人の発症頻度)が知られていますが、プロテインSは経口避妊薬、妊娠、炎症など後天的にも低下します。経口避妊薬の血栓傾向の理由として、プロテインSの低下があげられます。




(備考)

・血栓性素因は、先天性として、先天性アンチトロンビン・プロテインC・プロテインS欠損症など、後天性として抗リン脂質抗体症候群などがあります。


深部静脈血栓症

1)罹患血管は深部静脈。上肢よりも下肢の方が、はるかに多いです。
2)原因:長期臥床、悪性腫瘍、先天性&後天性凝固異常など。
3)症状:片下肢の腫脹、疼痛。
4)肺塞栓:合併すると致命症になる場合があります。
5)治療:抗血栓療法。急性期はヘパリン類(未分画ヘパリンなど)、慢性期はワルファリンを使用。ただし、近年は、新規経口抗凝固薬(NOAC)(直接経口抗凝固薬(DOAC)とも言う)で、急性期〜慢性期の治療を通して行われることも多くなりました。


プラスミノゲン活性化抑制因子1(plasminogen activator inhibitor 1:PAI-1)

1)    血管内皮からt-PAが産生されると、t-PAはプラスノゲンをプラスミンに転換します。
2)    プラスミンが血栓(フィブリン)を分解すると、血栓の分解産物であるFDP(D-ダイマー)が形成されます。
3)    PAI-1は、t-PA同様に血管内皮から産生され、t-PAと1:1結合することで、線溶を阻止します。
4)    PAIが上昇した症例においては、線溶に抑制がかかり、血栓傾向となります。
5)    例えば敗血症に合併したDICにおいては、PAI-1が著増するために血栓が溶解されにくく、微小循環障害に起因する臓器障害をきたしやすいです。


(正解) a、e

 

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播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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血栓、赤血球新生、鼻血(CBT)

CBTの再現問題です。


血栓ができやすいのはどれか

A.    血小板の粘着能低下
B.    プラスミン活性低下
C.    フィブリノゲン減少
D.    第VIII因子活性低下
E.    α2プラスミンインヒビター活性低下



(解説)

血栓症になりやすい病態、出血をきたしやすい病態を、それぞれ理解しておきたいところです。

A.    血小板粘着能が低下しますと、出血しやすくなります。von Willebrand病Bernard-Soulier症候群では、血小板粘着能が低下します。

B.    プラスミン活性が低下しますと、線溶能が低下します(血栓が溶解しにくくなります)。つまり、易血栓状態になります。

C.    フィブリノゲン(第I因子ということもあります)が減少すると、出血しやすくなります。

D.    第VIII因子活性が低下すると、出血しやすくなります。具体的には、血友病Aやvon Willebrand病では第VIII因子活性が低下します。

E.    α2プラスミンインヒビター(α2PI)活性が低下しますと、線溶能が亢進します。止血血栓まで溶解することで出血しやすくなります。線溶亢進型DICでは、α2PI活性が低下します。



(備考)

血栓の形成には3つの要因(ウィルヒョウの三要素)が存在します。

1.    血管内皮細胞障害:喫煙、高脂血症、高血圧、糖尿病などが原因で血管内皮細胞の機能が低下します。

2.    血流の状態(鬱帯):長期臥床、大動脈瘤、心房細動(心内の血液滞留:心原性脳塞栓の原因となります)など。

3.    血液性状の変化(粘稠度の増加、線溶能低下、凝固亢進状態など):脱水、感染症(線溶阻止因子であるPAIの上昇)、先天性アンチトロンビン欠損症、先天性プロテインC欠損症、先天性プロテインS欠損症など


(正解)  B





赤血球の新生を促進しないのはどれか。

A.    エリスロポエチン
B.    出血
C.    迷走神経刺激
D.    高地トレーニング
E.    メテノロン



(解説)

A.    エリスロポエチン(Erythropoietin)は、赤血球産生を促進する造血因子の一つです。腎性貧血の治療に用いられることがあります。

B.    出血後には、赤血球の新生が盛んになります。

C.    迷走神経刺激は関係ありません。

D.    高地トレーニングなど、慢性の低酸素状態になると腎臓でのエリスロポエチン産生が亢進します。

E.    蛋白同化ステロイドの酢酸メテノロンは、再生不良性貧血の治療に用いられることがあります。




(備考)

赤血球の新生に必要な因子:エリスロポエチン(腎臓で産生)、ビタミンB12、葉酸、鉄など。



(正解)  C




2歳の男児。鼻血が止まりにくいことを主訴に来院した。

膝関節に腫脹を認める。
幼児期からよく皮下出血をきたしていた。
祖父に同様のエピソードがあったという。
出血時間3分(基準2〜5)、PT12秒(基準10〜15)、APTT 50秒(基準 30〜40)。

最も考えられるのはどれか。

A.    von Willebrand病
B.    アレルギー性紫斑病(IgA血管炎)
C.    血小板減少性紫斑病
D.    血小板無力症
E.    血友病
F.    抗リン脂質抗体症候群
G.    再生不良性貧血
H.    全身性エリテマトーデス
I.    多発性骨髄腫
J.    ビタミンK欠乏症



(解説)

出血しやすくなる病態には、以下の5つがあります。

1)血小板数の低下(骨髄での産生低下、末梢での破壊や消費、血小板の分布異常)
2)血小板機能の低下
3)凝固異常
4)過線溶状態
5)血管壁の脆弱性。

まず、本症例は出血時間が正常です。

出血時間は、血小板数の低下、血小板機能の低下、血管壁の脆弱性のいずれかで延長します。
上記の1)2)は不定されます。

次に、PTは正常ですが、APTTのみが延長しています。
XII、XI、IX、VIII因子のいずれかに問題があると考えられます。

APTTが延長する出血性疾患は、血友病A(先天性の第VIII因子活性低下)、血友病B(先天性の第IX因子活性低下)、von Willebrand病(von Willebrand因子<VWF>は第VIII因子のキャリアー蛋白であり、VWFが低下すると第VIII因子も低下)が知られています。

膝関節に腫脹がみられており関節内出血が疑われます。

幼少時から皮下出血がみられ先天性の出血性疾患が疑われます。

祖父に同様のエピソードがあったため、伴性劣性遺伝を示唆しています。

以上より、血友病Aまたは血友病Bと考えられます(上記の3)に属する出血性疾患)。

なお、von Willebrand病では、出血時間もAPTTも延長します。
von Willebrand病では、出血症状も関節内出血などの深部出血ではなく、鼻出血、過多月経などの粘膜出血がみられやすいです。


(正解)  E

 

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血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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出血時間延長,PT 正常,APTT 延長(CBT)

CBTの再現問題です。



出血時間は延長,PT は正常,APTT は延長を示す疾患で,低下がみられる凝固因子はどれか。

A 第I因子
B 第II因子
C 第III因子
D 第IV因子
E 第V因子
F 第VII因子
G 第VIII因子
H 第IX因子
I 第X因子
J 第XI因子
K 第XII因子
L 第XIII因子



<出血時間が延長する病態>

1)    血小板数低下:特発性血小板減少性紫斑病、急性白血病、再生不良性貧血、肝硬変など。
2)    血小板機能低下:血小板無力症(Glanzmann病)、Bernard-Soulier症候群、von Villebrand病、アスピリンなどのNSAID内服、尿毒症など。
3)    血管壁の脆弱性

(注意)血友病A&B、ビタミンK欠乏症、ワルファリン内服中などの凝固因子に関連した出血性疾患では、出血時間は正常です。



<PTが延長する病態>
第VII、X、V、II、I因子のいずれかの活性が低下した場合

1)    ビタミンK欠乏症、ワルファリン内服中(ワルファリンはビタミンKの拮抗薬)
2)    肝不全、肝硬変などの肝疾患
3)    先天性第VII因子欠損症 など。



<APTTが延長する病態>
第XII、XI、IX、VIII、X、V、II、I因子のいずれかの活性が低下した場合

1)    血友病A&B:それぞれ、第VIII因子、IX因子の先天性欠損症
2)    von Villebrand病:von Villebrand病では、von Villebrand因子(VWF)が低下しています。VWFは、第VIII因子のキャリアー蛋白でもあり、VWFが低下すると第VIII因子も低下します。
3)    先天性第XII因子欠損症、先天性第XI因子欠損症
4)    ビタミンK欠乏症(重症例):軽症例では、PT延長のみのことも多いです。ビタミンK依存性凝固因子(半減期の短い順番に、VII、IX、X、II)の中で、ビタミンK欠乏で最初に低下するのは、半減期の短い第VII因子です。
5)    ヘパリン投与中 など。



<本症例>


出血時間という血小板関連検査が延長し、APTT という凝固関連検査も延長しています。
von Villebrand病では、血小板粘着能(血小板機能)が低下するために出血時間が延長します。
VWF低下に伴い第VIII因子活性も低下するために、APTTも延長します。
PTは正常です。
なお蛇足ながら、第VI因子は欠番であり存在しません。



(正解) G 第VIII因子

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2018年3月25日

DIC臨床検査所見、PT、APTT、出血時間(CBT)

CBTの再現問題と解説です。

DICでみられるのはどれか.

a 出血時間正常,PT正常,APTT正常
b 出血時間正常,PT正常,APTT延長
c 出血時間正常,PT延長,APTT正常
d 出血時間正常,PT延長,APTT延長
e 出血時間延長,PT正常,APTT正常
f 出血時間延長,PT正常,APTT延長
g 出血時間延長,PT延長,APTT正常
h 出血時間延長,PT延長,APTT延長




(解説)

DICの診断には、血液凝固検査の評価が不可欠です。
本問には登場しませんが、FDP、D-ダイマーはもっとも重要なマーカーです。




(正解)h



(ポイント)


播種性血管内凝固症候群(DIC)の臨床検査所見
1.基礎疾患の存在.

2.出血症状の存在.

3.臓器症状の存在.

4.血小板数の低下

5.血中FDP(D-ダイマー)の上昇

6.血中フィブリノゲンの低下
7.プロトロンビン時間(PT)の延長(進行例でのみAPTTの延長もみられることあり)
8.アンチトロンビン (AT)の低下:消費性凝固障害の一環として、活性型凝固因子と1:1結合。
9.プラスミノゲンの低下、α2プラスミンインヒビター(α2PI)の低下。消費性凝固障害の一環として、二次線溶に伴い消費される。特に、線溶亢進型DICの典型例では、α2PIは著減する。
3. トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)、可溶性フィブリン(SF)の上昇。
4. プラスミン-α2PI複合体(PIC) の上昇。特に、線溶亢進型DICの典型例では、PICは著増。

(備考)
本問では、APTTの延長を正解にして良いですが、実臨床ではAPTTの延長しないDICも多いです。


DICの病型分類

線溶抑制型DIC:敗血症などの重症感染症。臓器症状がみられやすいです。
線溶亢進型DIC:急性前骨髄球性白血病(APL)、大動脈瘤、巨大血管腫、前立腺癌など。出血症状がみられやすいです。
線溶均衡型DIC;固形癌など(ただし一部の癌は線溶亢進型DIC)。

<リンク>

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2018年3月24日

DICの基礎疾患(CBT)

CBTの再現問題と解説です。

DICの基礎疾患として誤っているのはどれか.

 a 敗血症
 b 羊水塞栓症
 c 重症急性膵炎
 d 腹部大動脈瘤破裂
 e ビタミンK欠乏症



(解説)

DICでは多くの基礎疾患が存在します。
三大基礎疾患は、敗血症、固形癌、急性白血病です。
その他、産科合併症、大動脈瘤、急性膵炎など。

a 敗血症は、線溶抑制型DICを合併します。臓器症状が見られやすいです。

b 産科合併症の、常位胎盤早期剥離や羊水塞栓症などでは、線溶亢進型DICを合併します。
大出血が見られやすいです。

c 重症急性膵炎は、DICの基礎疾患の一つです。

d 大動脈瘤、解離性大動脈瘤では、線溶亢進型DICを合併します。

e ビタミンK欠乏症はPT延長が見られる出血性疾患ですが、DICとは無関係です。




(正解)e



(ポイント)


DICの基礎疾患
1.    感染症:敗血症、その他の重症感染症
2.    造血器悪性腫瘍:急性前骨髄球性白血病(APL)、その他の急性白血病、悪性リンパ腫など
3.    固形癌(通常は転移を伴った進行癌)
4.    組織損傷:外傷、熱傷、熱中症、横紋筋融解症
5.    手術後
6.    血管関連疾患:大動脈瘤、解離性大動脈瘤、巨大血管腫
7.    肝障害:劇症肝炎、急性肝炎、肝硬変
8.    急性膵炎
9.    ショック
10.    溶血、血液型不適合輸血
11.    蛇咬傷
12.    その他

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2018年3月23日

鼻出血、紫斑、血小板低下(CBT)

CBTの再現問題と解説です。

21歳の女性.
学生.鼻出血が止まらないため来院.
下肢に紫斑が見られる.
検査の結果,赤血球360万,白血球6000,血小板2万,PT・APTT正常.骨髄穿刺像を示す.
この疾患で見られるのはどれか.
(骨髄像:巨核球の増加)

 a  補体上昇
 b  フェリチン上昇
 c  直接ビリルビン値上昇
 d  抗血小板抗体
 e  破砕赤血球の出現



(解説)
a 本症例は、特発性血小板減少性紫斑病(ITP:近年は免疫性血小板減少性紫斑病、免疫性血小板減少症ともいう)です。補体の変化は見られません。


b フェリチンの低下する代表的疾患は鉄欠乏性貧血など、増加する代表的疾患はヘモクロマトーシス、血球貪食症候群などです。
ITPでは出血のために、鉄欠乏性貧血を合併することがあります。

c 直接ビリルビン値は、肝胆道系疾患などで上昇します。間接ビリルビン値は、溶血などで上昇します。

d ITPでは血小板に対する自己抗体が出現して、脾臓で血小板が破壊されます。

e 破砕赤血球は、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、溶血性尿毒症症候群、HELLP症候群などで出現します。



(正解)d



(ポイント)

特発性血小板減少性紫斑病(免疫性血小板減少性紫斑病:ITP)

血小板に対する自己抗体が産生され、血小板の破壊(脾で)が亢進し、血小板寿命は短縮し出血傾向をきたします。
小児科領域では,先行感染を伴った急性型が多いのに対して(しばしば自然治癒)、内科領域では、先行感染のない慢性型が多いです(女性に多いです)。

【症状】
点状出血、粘膜出血など。

【検査&診断】
・血小板数の低下(PT&APTTは正常)。
・他血液疾患の除外(除外診断)。特に,MDSは確実に否定。
・骨髄巨核球の増加:末梢での血小板破壊に対する反応。
・血小板結合性IgG(PAIgG)の上昇。

【治療】

1)血小板数が数万以上では無治療で経過観察。
2)血小板数が2-3万以下で出血があれば、副腎皮質ステロイド。
3)無効例では,摘脾術を考慮。摘脾術に際して,免疫グロブリン大量療法。
4)ピロリ菌の除菌療法:ピロリ菌陽性の場合はまず考慮。
5)トロンボポエチン受容体作動薬

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2018年3月22日

血友病とビタミンK欠乏症の鑑別(CBT)

CBTの再現問題と解説です。

血友病とビタミンK欠乏症の鑑別に有用な値はどれか.


 a  APTT
 b  PT
 c  フィブリノゲン濃度
 d  血小板数
 e  出血時間




(解説)

a 血友病A(第VIII因子の先天性欠損)、血友病B(第IX因子の先天性欠損)のいずれであっても、APTTは延長します(PTは正常)。
ビタミンK欠乏症では、重症例ではPTのみならずAPTTも延長します。
ただし、軽症例ではPTのみ延長が見られ、APTT延長は見られないことも多いです。

b 血友病ではPT延長は見られません。ビタミンK欠乏症では、PT延長が特徴的です。

c 血友病とビタミンK欠乏症ともに、フィブリノゲン濃度は正常です。

d 血友病とビタミンK欠乏症ともに、血小板数は正常です。

e 血友病とビタミンK欠乏症ともに、出血時間は正常です。

出血時間が延長するのは、

1)血小板数の低下
2)血小板機能の低下
3)血管壁の脆弱性の存在

の3つの場合のみです。




(正解)b

 

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2018年3月21日

PT正常,APTT延長,出血時間延長(CBT)

CBTの再現問題と解説です。


PT正常,APTT延長,出血時間延長.考えられる疾患はどれか


 a 血友病
 b von Willebrand病
 c 特発性血小板減少性紫斑病
 d 血小板無力症
 e 溶血性尿毒症症候群


(解説)

PT、APTT、出血時間それぞれの検査で、延長する疾患・病態を理解の上、記憶しておく必要があります。

a 血友病A(第VIII因子の先天性欠損)、血友病B(第IX因子の先天性欠損)のいずれであっても、APTTは延長しますが、出血時間は正常です(PTも正常)。

b von Willebrand病では、von Willebrand因子(VWF)が先天性に低下して血小板粘着能が低下する(血小板機能が低下する)ために、出血時間は延長します。
VWFは第VIII因子のキャリアー蛋白でもあり、von Willebrand病では第VIII因子活性も低下します。
そのために、APTTも延長します(PTは正常)。

c 特発性血小板減少性紫斑病(近年は免疫性血小板減少性紫斑病、免疫性血小板減少症ともいう)では、血小板数が低下するために、出血時間は延長します。PT、APTTは正常です。

d 血小板無力症は、血小板凝集能が低下する(血小板機能が低下する)先天性疾患です。
出血時間は延長しますが、PT、APTTは正常です。

e 溶血性尿毒症症候群は、血小板数が低下するために、出血時間は延長します。PT、APTTは正常です。


(正解)b




(ポイント)

<出血時間の延長する代表的疾患など>

1)    血小板数の低下:特発性血小板減少性紫斑病(ITP)ほか多数。
2)    血小板機能の低下:血小板無力症、von Willebrand病、Bernard-Soulier症候群、尿毒症、非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)内服、抗血小板薬内服時など。
3)    血管壁の脆弱性の存在

<PTの延長する代表的疾患など>

(VII、X、V、II(プロトロンビン)、I(フィブリノゲン)因子の低下で延長します)
1) ワルファリン内服中:ワルファリンはビタミンKの拮抗薬です。ビタミンK欠乏状態に伴い、VII、IX、X、IIの順番で凝固因子活性が低下します。VII因子が最も半減期が短いために、最初に低下します。そのため、ビタミンK欠乏症では、APTTよりもPTの方が先に延長します。
2) ビタミンK欠乏症:同上。
3) 肝不全(肝硬変、劇症肝炎、慢性肝炎など):凝固因子は肝臓でできルため、肝不全ではPTやAPTTが延長します。特に、半減期の短い第VII因子を反映するPTは、敏感に延長します。
4) 凝固第VII、X、V因子、プロトロンビン、フィブリノゲンの欠損症または、これらの凝固因子に対するインヒビター。

<APTTの延長する代表的疾患など>
(XII、XI、IX、VII、X、V、II、I因子の低下で延長します)
1)血友病Aまたは第VIII因子インヒビター
2)血友病Bまたは第IX因子インヒビター
3)von Willebrand病(vWD)
4)先天性第XII、XI因欠損症。または、これらの凝固因子に対するインヒビター。

5)凝固第X、V因子、プロトロンビン、フィブリノゲンの欠損症または、これらの凝固因子に対するインヒビター(この場合は、PTも延長)。
6)ループスアンチコアグラント(LA):抗リン脂質抗体症候群の診断に必要。血栓傾向となります。
7)ヘパリン投与時。
8)ワルファリン(ビタミンK拮抗薬)内服中またはビタミンK欠乏症(ただし、PTの記事も参照)
9) 肝不全 (ただし、PTの記載内容も参照)

 

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:40 | 医師国家試験・専門医試験対策

2017年7月21日

平成29年度 血液内科学系統講義試験

平成29年度 血液内科学系統講義試験

平成29年7月12日 水曜日 試験時間 16時00分〜17時00分 (60分間)

問1.    スライドの細胞は何か?細胞名を記入せよ。


1)(好酸球   )
2)(分節核好中球)
3)(単球    )
4)(リンパ球  )
5)(赤芽球   )


問2.    次の文の括弧の中に適切な言葉を記入せよ。

1)造血幹細胞由来の一つのコロニーを構成する細胞は(      )クローン性である。
2)網赤血球数は通常(     )(単位)で表記する。
3)慢性炎症に伴う貧血ではインターロイキン6濃度上昇のため、肝からの(      )産生が亢進する。
4)古くなった赤血球は脾臓、肝などの(     )系組織で破壊される。
5)塗抹標本を作製する際には、細胞が縮まないように塗抹後の標本をただちに(    )させることが重要である。
6)(       )の低下は溶血を示唆する最も感度の高い検査所見である。
7)貧血の急速な進行に加えて血清総(     )が低下していれば出血を疑う。
8)貧血症状で頻度が高いのは(      )、動悸、易疲労感などである。
9)急性骨髄性白血病の芽球ではアズール顆粒が凝集した(     )が時にみられる。
10)外科的処置を行う際には、血小板数が(      )万/μL以上あることが必要である。



問3.   
21歳のタイ人留学生が検診で貧血を指摘されて来院した。血液検査では赤血球数290万/μl、ヘモグロビン6.0 g/dl、ヘマトクリット23%、血清鉄 82 μg/dl、TIBC 179 μg/dl、フェリチン 423 μg/dl、HbF 18%であった。

1)MCV値を冪数表示の単位をつけて記載せよ。 

2)父も慢性貧血を指摘されている。もっとも疑われる疾患は何か?  



問4.    貧血について正しい結びつきはどれか。

(1)    悪性貧血 − LDHの上昇 − 蛋白同化ステロイド
(2)    赤芽球癆 − 網赤血球の著減 − 副腎皮質ステロイド
(3)    再生不良性貧血 − 骨髄の脂肪化 − 同種造血幹細胞移植
(4)    発作性夜間ヘモグロビン尿症 − PIGA遺伝子変異 − 抗C5抗体
(5)    自己免疫性溶血性貧血 − 抗赤血球型抗体 − 血漿交換

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問5.    鉄欠乏性貧血に関する記載のうち正しいのはどれか。

(1)    原因を明らかにすることがもっとも重要である。
(2)    異食症や嚥下困難はしばしばみられる症状である。
(3)    生理出血のみで発症することは稀である。
(4)    食事療法によって改善させることは困難である。
(5)    中等度の鉄欠乏では爪が平坦化する。

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問6.    骨髄異形成症候群に関する記載のうち正しいのはどれか。


(1)    p53遺伝子変異陽性例の予後は不良である。
(2)    2系統以上の血球に減少があることが診断の必要条件である。
(3)    全体の約50%が白血病に移行する。
(4)    骨髄細胞の形態異常によって診断される。
(5)    死因の多くは感染や出血によるものである。

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問7.    溶血性貧血に関する記載の中で正しいのはどれか。


(1)    LDHの上昇は主に分画II、IIIによるものである。
(2)    網状赤血球は通常は10万/μL以上に増加する。
(3)    遺伝性球状赤血球症ではMCHCが高い。
(4)    PNH患者では血小板上のGPIアンカー膜蛋白も欠損している。
(5)    自己免疫性溶血性貧血ではクームス試験が例外なく陽性となる。

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問8.    EBウイルスが関与するリンパ系腫瘍はどれか。


(1)    ホジキンリンパ腫
(2)    節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型
(3)    慢性リンパ性白血病
(4)    成人T細胞性白血病/リンパ腫
(5)    免疫不全関連リンパ増殖性疾患

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問9.    ホジキンリンパ腫に関する記載の中で正しいのはどれか。


(1)    日本では悪性リンパ腫の中の10%程度である。
(2)    病変は非連続性に進展する。
(3)    CD20を標的としたリツキシマブが難治例に対して有効である。
(4)    発熱や炎症反応を伴うことが多い。
(5)    若年者では結節硬化型(nodular sclerosis; NS)が多い。

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問10.    治療法で正しい結びつきはどれか。


(1)    多発性骨髄腫 — ボルテゾミブ
(2)    慢性リンパ性白血病 — アレムツズマブ(抗CD52抗体)
(3)    成人T細胞性白血病/リンパ腫 — モガムリズマブ(抗CCR4抗体)
(4)    びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 — イブリチニブ(BTK阻害薬)
(5)    濾胞性リンパ腫 — イマチニブ

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問11.    次の文章の中で正しいものはどれか。

(1)    B細胞性リンパ腫の中でもっとも多いのはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫である。
(2)    ヘリコバクタ・ピロリ陽性の胃辺緑帯B細胞リンパ腫に対する第一選択の治療法は放射線治療である。
(3)    NK/T細胞性リンパ腫に対して抗CD20抗体が有効である。
(4)    血管内大細胞型B細胞性リンパ腫は不明熱の重要な鑑別疾患である。
(5)    ALK陽性未分化大細胞リンパ腫の予後はALK陰性のものよりも良好である。

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問12.    下記患者のアグレッシブリンパ腫瘍の国際予後指標(Internal Prognostic Index: IPI)(1項目1点)を求めよ。

63歳男性。頚部リンパ節の生検で、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断された。FDG-PET/CTでは両側頚部・左腋窩・縦隔リンパ節にそれぞれ2〜3センチ大のリンパ節を認めたが、その他の部位に病変は認めなかった。入院前日まで仕事を普通にこなしていた。体重減少や寝汗は認めていない。骨髄生検では骨髄浸潤の所見はみられなかった。LDHは167 IU/l(基準176〜353)、可溶性IL-2レセプター 1240 IU/ml(基準127〜582)であった。

国際予後指数(  )点



問13.    骨髄腫について誤っているものはどれか。


(1)    G-bandingによる染色体検査では染色体異常の検出率が高い。
(2)    骨病変対策として用いるビスフォスフォネート製剤の重大な副作用は顎骨壊死である。
(3)    重篤な合併症がなく心肺機能が正常な65歳以下の症例は、自家末梢血幹細胞移植の適応である。
(4)    血清アルブミン値と血清β2ミクログロブリン値を組み合わせることによって予後予測が可能である。
(5)    17p-を有する例は予後良好である。

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問14.    多発性骨髄種を診断する骨髄腫診断事象(MDE: myeloma defining event)の臓器障害に含まれないのはどれか。1つ選べ。


a.    高カルシウム血症
b.    腎不全
c.    貧血
d.    骨病変
e.    アミロイドーシス



問15.    ミエロペルオキシダーゼ (MPO) 染色、特異的エステラーゼ染色、非特異的エステラーゼ染色いずれもが陽性であった場合に考えられる疾患はどれか。1つ選べ。


a.    最未分化型急性骨髄性白血病
b.    急性骨髄単球性白血病
c.    急性単球性白血病
d.    赤白血病
e.    急性巨核芽球性白血病



問16.    フローサイトメトリーによる表面マーカー解析が診断に有用でない疾患はどれか。1つ選べ。


a.    骨髄異形成症候群
b.    急性リンパ性白血病
c.    慢性骨髄性白血病(慢性期)
d.    慢性リンパ性白血病
e.    多発性骨髄腫



問17.    急性白血病に関する記述で正しいのはどれか。


(1)    成人では骨髄性よりリンパ性の方が多い。
(2)    WHO分類では芽球比率が30%以上で急性白血病と診断する。
(3)    FLT3遺伝子変異を伴うと予後良好である。
(4)    Core binding factor (CBF) 白血病に対して大量シタラビン(Ara-C)療法が有用である。
(5)    一部の病型はDown症候群に合併しやすいことが知られている。

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問18.    疾患名とその疾患に特徴的な染色体異常、遺伝子異常の組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。

a.    本態性血小板血症 − CALR遺伝子変異
b.    慢性骨髄単球性白血病 − t(8;21)
c.    真性多血症/真性赤血球増加症 − JAK2遺伝子のV617変異
d.    分化型急性骨髄性白血病 (M2) − t(15;17)
e.    好酸球増多を伴う急性骨髄単球性白血病 − inv(16)




問19.    疾患名と検査所見の組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。


a.    急性単球性白血病 — 尿中リゾチーム高値
b.    慢性骨髄性白血病 — 末梢血中の幼若顆粒球
c.    真性多血症/真性赤血球増加症 — エリスロポエチン高値
d.    骨髄線維症 — 涙滴赤血球
e.    急性前骨髄球性白血病 — Auer小体



問20.    疾患名と症状・身体所見の組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。


a.    真性多血症/真性赤血球増加症 − 血栓症
b.    原発性骨髄線維症 − 巨脾
c.    本態性血小板血症 − 無症状のことが多い(健診等で偶然指摘)
d.    慢性骨髄性白血病 − 歯肉腫脹
e.    急性前骨髄球性白血病 (M3)  − 出血傾向



問21.    慢性骨髄性白血病の治療に通常用いない薬剤はどれか。


(1)    イマチニブ
(2)    アナグレリド
(3)    ルキソニチニブ
(4)    ダサチニブ
(5)    ニロチニブ

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)







(正答)
記述式の回答は、同義語であれば正解とします。

問2.    次の文の括弧の中に適切な言葉を記入せよ。

1)造血幹細胞由来の一つのコロニーを構成する細胞は(   単   )クローン性である。
2)網赤血球数は通常(   /μL  )(単位)で表記する。
3)慢性炎症に伴う貧血ではインターロイキン6濃度上昇のため、肝からの( ヘプシジン )産生が亢進する。
4)古くなった赤血球は脾臓、肝などの(   網内  )系組織で破壊される。
5)塗抹標本を作製する際には、細胞が縮まないように塗抹後の標本をただちに(  乾燥   )させることが重要である。
6)(ハプトグロビン)の低下は溶血を示唆する最も感度の高い検査所見である。
7)貧血の急速な進行に加えて血清総(   蛋白  )が低下していれば出血を疑う。
8)貧血症状で頻度が高いのは(  息切れ  )、動悸、易疲労感などである。
9)急性骨髄性白血病の芽球ではアズール顆粒が凝集した(アウエル小体 )が時にみられる。
10)外科的処置を行う際には、血小板数が(   5   )万/μL以上あることが必要である。

問3
1)79.3 x 10-15 L
2)サラセミア

問4 d

問5 c

問6 c

問7 d

問8 b

問9 c

問10 a

問11 c

問12 1点

問13 e

問14 e

問15 b

問16 c

問17 d

問18  b, dいずれかを選択した場合に正答とします

問19 c

問20 d

問21 b






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血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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2017年7月20日

輸血関連問題

平成29年度 血液内科学系統講義試験

平成29年7月12日 水曜日 試験時間 16時00分〜17時00分 (60分間)


問30.    診断時にHLA適合同胞ドナーの検索が望ましい症例はどれか。2つ選べ。

a.    19才、中等症再生不良性貧血
b.    24才、ホジキンリンパ腫再発
c.    42才、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
d.    49才、多発性骨髄腫
e.    51才、高リスク骨髄異形成症候群   



問31.    急性GVHDの重症度を判定する際に評価の対象となる臓器はどれか。3つ選べ。


a.    肺
b.    肝臓
c.    腎臓
d.    皮膚
e.    消化管   



問32.    血液型の検査結果を表に示す。この患者の血液型はどれか。1つ選べ。


患者検体 血球 血球 血球 血清 血清
試薬 抗A血清 抗B血清 抗D血清 A型血球 B型血球
凝集の有無 あり なし あり なし あり


a.    A型、RhD陽性
b.    A型、RhD陰性
c.    B型、RhD陽性
d.    B型、RhD陰性
e.    O型、RhD陽性   




問33.    血液製剤の取り扱いについて正しいのはどれか。1つ選べ。

a.    赤血球濃厚液は20〜24℃の室温で保存する。
b.    新鮮凍結血漿は使用する前日に融解しておく。
c.    濃厚血小板は2〜6℃の冷蔵庫で振盪保存する。
d.    新鮮凍結血漿は−20℃の冷凍庫に1年間保存した後に使用する。
e.    血小板濃厚液の有効期間は採血後4日間(採血初日を1日目とする)である。   



問34.    患者からインフォームド・コンセントを得る際の説明事項として正しいのはどれか。1つ選べ。


a.    栄養状態が悪いので高張アルブミン製剤を投与する。
b.    ABO型およびRhD型の血液型が一致した赤血球濃厚液を輸血すれば、溶血の副作用は生じない。
c.    赤血球濃厚液輸血後の副作用・合併症は、生物由来製品感染等被害救済制度の対象になることがある。
d.    特発性血小板減少性紫斑病患者では、血小板数が2万/μL未満になったら予防的に血小板輸血を行う。
e.    血液センターの血液製剤は、全てNAT検査が行われようになってから、HIV感染症のリスクはなくなった。   




問35.    18才の高校生。

通学途中で自動車にはねられ高度救命救急センターに搬送された。意識は混濁。身長176 cm、体重 60 kg、脈拍 124/分、整、血圧 74/58mmHg、骨盤骨折と診断し緊急手術となった。術後、集中治療室に収容した。入室時、脈拍82/分、整、血圧 116/78mmHg、中心静脈圧は5mmHgであったが、Hb値は6.0 g/dLであった。Hb 10 g/dLを目標に赤血球輸血をすることとした。何単位の投与が必要か。
ただし、赤血球濃厚液1単位は献血200 mL由来(Hb 14 g/dL)とする。

a.    3単位
b.    6単位
c.    9単位
d.    12単位
e.    15単位   



問36.    ABO major不適合輸血について誤った記載はどれか。1つ選べ。


a.    血管外溶血である。
b.    溶血の原因に補体系の活性化が関与している。
c.    輸血量が50 mL以内であれば救命可能である。
d.    発症要因としては、製剤の取り違えミスが最も多い。
e.    IgMクラスの抗Aあるいは抗B抗体が赤血球に結合することが発症の引き金となる。   




(正答)

問30 c、e

問31 b、d、e

問32 a

問33 e

問34 c

問35 b

問36 a


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2017年7月19日

出血時間・PT・APTT・フィブリノゲン・HPT

平成29年度 血液内科学系統講義試験

平成29年7月12日 水曜日 試験時間 16時00分〜17時00分 (60分間)

問22.    下記の疾患または病態のうち、検査所見の記載が誤っているのはどれか。1つ選べ。

    出血時間 PT
APTT
Fbg HPT
a 単純性紫斑 正常 正常 正常 正常 正常
b 先天性第V因子欠損症 正常 延長 延長 正常 正常
c 先天性第XIII因子欠損症 正常 正常 正常 正常 正常
d アレルギー性紫斑病(※) 正常
正常
正常
正常
正常
e Bernard-Soulier症候群 延長 正常 正常 正常 低下

(※)IgA血管炎ともいう。
PT:プロトロンビン時間
APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間
Fbg:フィブリノゲン
HPT:ヘパプラスチンテスト



(解説) 
a 単純性紫斑病では、全ての血液凝固検査が正常です。

b 
先天性第V因子欠損症では、PTもAPTTも延長します。HPT(VII、X、IIを反映)は正常です。

c 
先天性第XIII因子欠損症では、PTもAPTTも正常です。

d 
アレルギー性紫斑病では、上記の検査所見は全て正常です。XIII因子活性が低下することはあります。

e 
Bernard-Soulier症候群では、血小板膜糖蛋白のGPIb/IXが欠損して、血小板粘着能(血小板機能)が低下します。HPT(VII、X、IIを反映)は正常です。



(正答)
    e


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