金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年8月20日

悪性腫瘍(癌)と血栓症(1)静脈血栓塞栓症/VTE

悪性腫瘍(癌)と血栓症(1)静脈血栓塞栓症/VTE

悪性腫瘍(癌)と血栓症:インデックス

悪性腫瘍(癌)の存在は血栓傾向の原因の一つと考えられています。

特に、深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)肺塞栓(pulmonary embolism:PE)と言った静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)の発症頻度が高くなることが良く知られています。

換言しますと、VTEの症例に遭遇した場合には、他に原因がなければ悪性腫瘍が潜んでいる可能性もあります。


また、悪性腫瘍は、究極の血栓症である播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)の基礎疾患としても知られています。

DICには、多くの基礎疾患が知られていますが、固形癌、急性白血病、敗血症は三大基礎疾患として知られています。

つまり、悪性腫瘍(造血器悪性腫瘍、固形癌)は、DICの基礎疾患としても極めて大きな位置を占めることになります。

固形癌においては、化学療法や移植治療の発達、免疫学的に抗腫瘍効果を期待できる治療法の開発などに伴い、進行癌であっても治療成績の向上が見込まれる時代となっています。

この点、血栓性病態のコントロールは、原疾患の治療を着実に遂行していく上で、以前よりも更に大きな意義を有するようになってきたものと考えられます。


従来、日本人にはVTEが少ないと思われていた過去があります。

しかし、決してそのようなことはなく、血栓症の理解と対策は、抗腫瘍薬による化学療法の効率的な遂行の上でも重要です。

(続く)悪性腫瘍(癌)と血栓症:インデックス

<リンク>
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播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:09 | 血栓性疾患

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