2008年08月31日
ヒルジン:吸血虫ヒルの唾液内にある宝物。
ヒルジン(hirudin)という抗凝固薬があります。トロンビンの阻止薬です(補足:Bivalirudinはヒルジンの合成誘導体です)。ヒルジンは、ヒル(吸血虫)の唾液中から、発見、精製されました。
日本では使用されていないですが、欧米では、血栓症の治療薬として実際使われています(※)。ヒルジンやBivalirudinは、流血中のトロンビンのみならず、フィブリンに吸着したトロンビンも抑制するためにヘパリンよりも有効ではないかと言う期待がもたれています。
ヒルが人間から血を吸っている時に、血が固まって、途中から血を吸えなくなったら、ヒルはショックですよね。そうならないように、ヒルの唾液からは血液を固まらせない(凝固させない)成分が出ているのです。
恐るべし、ヒル、と言ったところです。
それを、治療に応用した人間もなかなかしたたかでしょうか?
(※)
・経皮的冠動脈インターベンション(PCI)における未分画ヘパリンとBivalirudinの比較
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・オルガラン(ダナパロイド )
・フサン(線溶亢進型DICに対する特効薬)
・リコモジュリン(トロンボモジュリン製剤)
・NETセミナー:DICの病態・診断
・NETセミナー:DICの治療
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・プラビックス:パナルジン、プレタール、プロサイリン、ドルナー、ワーファリンとの比較(納豆は大丈夫か?)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 10:36| 抗凝固療法 | コメント(0) | トラックバック(0)