金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2008年09月18日

老人性紫斑:高齢者の青あざ、脳出血?

老人性紫斑
御高齢者の、前腕、手背などに出現することがあります。境界がとても明瞭で、青紫〜暗紫色です。

しばらくしますと消えていきますが、また場所を変えて出現します。

表現が適切ではないかも知れませんが、神出鬼没と言った感じです。



この図でみるような典型例ですと、すぐに老人性紫斑だと診断できます。見た目にはとても目立ちますので、患者様は、変な病気ではないかということで、しばしば病院を受診されます。しかし、老人性紫斑は全く病的なものではありません。

患者様から、このような青あざがでやすいということは、脳の血管が切れて、脳出血にもなりやすいのではないかとご相談をうけることがありますが、そんなことはありません。

今後とも出没しますので、そのことも患者様に十分お伝えしますが、放置して良いものです。

ただし、このような紫斑の原因として、実は出血性素因が存在するということもありますので、検査はしっかりしておいた方が良いです(※)。

全ての検査結果が正常であれば、老人性紫斑と確定診断することができます。


(※)行うべき検査:
異常出血の家族歴や既往歴がなければ、血算、出血時間(and/or 血小板凝集能)、PT、APTT、フィブリノゲン、FDPが、第一段階の検査になります。これらの検査に異常があれば、次のステップの検査が必要になります。

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 07:11| 出血性疾患 | コメント(0) | トラックバック(0)

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