治療の種類:造血幹細胞移植後の再発(1)
【造血幹細胞移植後の再発と対応】
同種造血幹細胞移植は同種抗腫瘍 (graft-versus-malignancy: GVM)効果を期待して行われますが、一定の割合で再発し、今のところ再発を防ぐ有効な方法はありません。しかも、過去20年間再発死亡率は減っていないのです(上図)。
したがって、血幹細胞移植後の再発対策は再発後治療が中心となります。
再発後治療の種類
1 免疫療法
1.1 免疫抑制療法中止
1.2 ドナーリンパ球輸注(donor lymphocyte infusion: DLI)
1.3 再移植
1.4 サイトカイン療法
1.5 養子免疫療法
1.6 抗体療法
2 化学療法・放射線治療
3 緩和ケア
再発治療は、上記の表のごとく、(1)免疫療法、(2)化学療法・放射線治療、(3)緩和ケアに大別されます。これらを組み合わせて治療することが多いのです。
長期生存を期待するには免疫療法は不可欠ですが、ランダム化試験で確認されたエビデンスはないのです。
【造血幹細胞移植後の再発】
1)治療の種類
2)免疫療法&白血病再発
3)免疫(抑制)療法
4)移植後微少残存病変(MRD)
【シリーズ】造血幹細胞移植前処置としてのATG
1)背景
2)作用機序
3)GVHD予防
4)晩期効果
【関連記事】NETセミナー
ドナーリンパ球の威力 −ドナーリンパ球輸注(DLI)−
貧血患者へのアプローチ
輸血後鉄過剰症と鉄キレート療法
血液内科に関する研修医からのQ&A
【シリーズ】溶血性貧血(PNH、AIHAほか) (8回シリーズ)
【リンク】金沢大学血液内科・呼吸器内科関連
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 00:25| 血液疾患(汎血球減少、移植他) | コメント(0) | トラックバック(0)