2009年03月13日
凝固カスケード(PT&APTT):血液凝固検査入門(13)
推薦図書:「臨床に直結する血栓止血学」凝固カスケードを含む血液凝固が詳述されています。
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内因系凝固活性化機序は、既に記事にさせていただいたように異物による凝固です。凝固第XII、XI、IX、VIII、X、V、II、I因子が関与しています。
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は、この凝固機序を試験管レベルで再現しようとした検査です。
外因系凝固活性化機序は、組織因子(tissue factor:TF)による凝固です。凝固第VII、X、V、II、I因子が関与しています。
プロトロンビン時間(PT)は、この凝固機序を試験管レベルで再現しようとした検査です。
凝固カスケードは、本来であれば多くの矢印を用いて詳細に記載するのが科学的です。
しかし、この科学的記載方法による凝固のカスケードは、多くの人にとって、血液凝固という学問をとっつきにくくする大きな要因になっているようです。
と言うことで、今回は敢えて凝固のカスケードから全ての矢印を割愛した簡易型の凝固カスケードを上図にさせていただきました。血液凝固の専門家から次々とお叱りを受けそうですが、血液凝固学を少しでもなじみ易くしたいというのが趣旨ですので、どうかご容赦いただければと思います。
この簡易型の凝固カスケードで、II因子はプロトロンビンと言う方が一般的ですし、I因子はフィブリノゲンと言う方が一般的です。
なお、念のためですが、第VI因子は欠番です。
何年か前に、この患者さんは先天性第VI因子が疑われますので精査してくださいというコンサルトを受けたことがありますが、先天性第VI因子欠損症は存在しません。
一発でヤブ医者であることがバレてしまいますね。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:45| 凝固検査 | コメント(0) | トラックバック(0)