プロテインS Lys196Glu変異(PS Tokushima変異)
プロテインS Lys196Glu変異
・PS (Protein S:PS)Tokushima(徳島)変異とも呼ばれています。
・プロテインS分子の第2EGFドメイン内にある196番目のリジン(Lys)がグルタミン酸(Glu)に変異しているプロテインS分子異常です。
・血中のPS抗原量の低下は見られませんが、ヘテロ接合体者のPS活性は健常者の平均より約16%低下しています。
・現在までのところ日本人にしか同定されておらず、日本人における静脈血栓塞栓症の最も多い危険因子の一つであることが判明しています。
・この疾患であるにもかかわらず診断に到達していない症例が多数埋もれているものと推測されます(抗リン脂質抗体症候群も埋もれ症例が多いと推測される点で、この疾患と合い通じるものがあります)。
(参考)
先天性PS欠乏症の発症頻度は、1.12%です。欧米人での発症頻度 0.16〜0.21%と比較して、5〜10倍も高いことが判明しています。
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【シリーズ】先天性血栓性素因:アンチトロンビン・プロテインC&S欠損症
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:45| 血栓性疾患 | コメント(0)