止血剤・血液凝固因子製剤:医師国家試験 問題対策
自己免疫性血栓症 & 出血と血栓症の共存:医師国家試験対策から続く。
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<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(26)
止血ための薬物・血液製剤【話題】
1. 遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(商品名:ノボセブン)
・日本での保険適応は、血友病インヒビター【話題】と後天性血友病【話題】のみ。
・ただし、各種出血に有効。たとえば、外傷、脳出血、血小板数低下の出血、血小板機能低下の出血、食道静脈瘤破裂、ワルファリンの過剰投与、ビタミンK欠乏症、DICなど。
・いわゆる、究極の止血剤!
・ただし、血栓症合併の報告も皆無ではない。
・問題点:とても高価で、1A(4.8mg)43万円。日本では保険適応の制限。
・線溶活性化に伴う出血に対しては著効!
(例)線溶亢進型DIC:ただしヘパリン類との併用で。
・ただし、線溶亢進型DICに対してであっても、トラネキサム酸単独投与は臓器障害をきたす懸念があり、危険【必須】
3. ビタミンK製剤
・ビタミンK欠乏症の出血に対しては著効する。
・ワルファリンの効果を中和する【既出】
・ワルファリンが効きすぎていると、プロトロンビン時間(PT-INR)が高度延長【既出】
・出血時は経静脈的に投与するのが原則。なぜなら、閉塞性黄疸の要素があると、経口では吸収されない【注意】
・抗生剤投与症例では予防投与することもある。その理由は、ビタミンK欠乏症へ
4. 濃厚血小板(PC)
・血小板数低下、血小板機能低下の出血に有効。
・繰り返し投与により抗体産生の問題があるため、必要最小限とする。
5. 新鮮凍結血漿(FFP)
・FFPには全ての凝固因子が含有されている。
・凝固因子低下に伴う出血(肝不全時など)に対して有効。
・von Willebrand病(vWD)の出血に対して有効【既出】
・ただし、また反復投与により効果減弱。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:04| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)