金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年12月07日

高ホモシステイン血症:臨床検査からみた血栓症(9)

臨床検査からみた血栓症(インデックスページ)

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高ホモシステイン血症の検査

リンク:ホモシステイン

ホモシステイン尿症(ホモシステインを分解する酵素シスタチオニンβ合成酵素の欠損)はまれな先天性代謝異常症の一つであり、高ホモシステイン血症をきたし、心筋梗塞、脳梗塞、深部静脈血栓症/肺塞栓(静脈血栓塞栓症:VTE)などの動・静脈血栓症を起こすことが知られています。

この所見より、高ホモシステイン血症と動脈硬化および血栓症との関連が近年注目されています。

 

血中ホモシステイン濃度は、先天性疾患の他に、以下の場合に高値を示します。

1)加齢 
2)男性
3)閉経
4)喫煙
5)ビタミンB12・B6欠乏
6)葉酸欠乏
7)疾患:腎障害、肝障害、糖尿病、甲状腺機能低下症
8)薬剤 など

 

動脈硬化、血栓症の発症機序として、過剰なホモシステインにより血管内皮傷害をきたしトロンボモジュリン(TM)、プロテインC(PC)、プロテインS(PS)系の抗凝固活性が低下したり、血小板が活性化されることが考えられています(参考:先天性血栓性素因)。

血栓症の独立した危険因子かどうかは議論が分かれていますが、血中ホモシステイン濃度もスクリーニング検査として重要な項目と考えられています。

 

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 04:37| 血栓性疾患 | コメント(0)

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