金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年01月26日

ブログコメント2/医学情報発信(5):金沢大学血液・呼吸器内科

ブログコメント1/医学情報発信(4):金沢大学血液・呼吸器内科 より続く

 

コメント欄書き込みの例(2)】

今回は、外科医からの書き込みです。

「内科も少人数で血液専門家もいない小さな公立病院で外科医をしています。ぜひ質問させてください。50代歳男性。上腸間膜静脈血栓症による小腸壊死のため小腸部分切除を行った患者さまです。(中略)術後29日後の採血でAT活性が54%です。(中略)AT活性が低値で先天性アンチトロンビン欠乏症(ヘテロ型)も疑えると思いますが、重症感染症、肝不全状態ではAT活性が低値になるとあります(後略)」(一部改変)

近くに相談できる専門医がいなくて苦心されている様子が感じられます。これに対しても、管理人の分かる範囲内で同じコメント欄で回答させていただいています(先天性アンチトロンビン欠損症の治療)。

 

次に、麻酔科医からの書き込みを紹介したいと思います。

「医師になってウン10年の麻酔科医です。止血・凝固は苦手意識をもっていましたが、このページをがんばって読ませていただいています。手術前の患者さんで、APTTのみの延長がみられるときに、凝固因子低下なのか、凝固反応阻止物質なのか、クロスミキシング試験でみることがあったりしますので、とっても参考になります。質問させてください。抗カルジオリピン抗体では、APTTは延長が見られないのでしょうか」

抗リン脂質抗体症候群

 

最後に、某大学病院で臨床検査技師をされている方のブログコメント欄への書き込みを紹介させていただきたいと思います。

TATについて調べています。慢性DICの治療で遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(リコモジュリン)を使用している患者さんがいます。治療効果の指標としてTATの検査依頼を出す医師とFDPしか依頼しない医師がいます。このサイトを見ますとTATで効果の判定をするのがいいように思うのですが、TATでモニタリングするのとFDPでモニタリングするのとでは臨床側からみてどう違うのでしょうか」(一部改変)」

 

勉強されている方の書き込みで、私達のサイトも情報収集の一助となっているとすれば、大変に嬉しく思う瞬間です。

なお、このご質問に対する回答は専門家の間でも意見が分かれる可能性があります。その点も明記した上で、回答させていただきました。

 

 リンク:血液凝固検査入門:インデックスページ(図解シリーズ)

 


(続く)

ブログと医学の啓蒙(6):金沢大学血液・呼吸器内科

 

 

 【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

金沢大学血液内科・呼吸器内科HP

金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 04:24| その他 | コメント(0)

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