2010年07月08日
経口抗Xa薬&抗トロンビン薬の今後:抗トロンビン薬(7)
経口可能な抗Xa薬として、リバロキサバン(rivaroxaban: バイエル)、エンドキサバン(endoxaban: 第一三協)、アピキサバン(apixaban: ファイザー)、YM150(アステラス)、TAK442(武田)などが開発中です。
抗Xa薬は、今回のシリーズではとりあげていませんので、詳細は割愛させていただきます。
経口抗トロンビン薬と、経口抗Xa薬の有効性および安全性の比較、病態によって使い分けする方向性になるのかなど、今後の検討課題と考えられます。
現在日本において内服可能な抗凝固薬はワルファリンのみですが、本薬はビタミンK依存性凝固因子の活性を低下させるものの、活性型凝固因子を不活化する作用はないため、播種性血管内凝固症候群(DIC)に対しては無効です。
大動脈瘤や巨大血管腫に合併した慢性DICなど、外来での加療が望まれる症例にしばしば遭遇しますが、将来的には経口抗Xa薬や経口抗トロンビン薬でのコントロールが可能になればメリットは大きいと考えられます。
また、抗リン脂質抗体症候群(APS)の不育症に対しては、現在ヘパリンの皮下注が数カ月〜10ヶ月にわたって行われていますが、この病態に対しても将来経口抗凝固薬でのコントロールが可能になれば恩恵は大きいと考えられます(ワルファリンは催奇形性の副作用の問題があります)。
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 00:15| 抗凝固療法