ハワイ大学(1):金沢大学第三内科留学便り
ハワイ大学に留学中の狩野惠彦Drから、留学便りの貴重な原稿をいただきました。
多くの方にとって、とても参考になるのではないかと思います。管理人にとっても大変参考になりました。
本来は、今度発刊される金沢大学第三内科同門会報用の原稿なのですが、狩野Drの了解もいただきましたので、ブログ記事としてもアップさせていただきたいと思います。
ハワイ大学内科のプログラムで研修を開始してもうすぐ3年になります。
研修を始めた当初はシステム、文化、言語の違いにとまどうことも多かったのですが、すこしずつ慣れてきました。
今回寄稿させていただく機会をいただきましたので、私が経験した研修プログラムについて簡単に述べさせていただきます。
ハワイ大学には大学附属病院というものはなく、プログラムに所属する複数の病院を研修医がローテーションするシステムになっています。
その中心になる病院がクイーンズメディカルセンターというハワイ州最大の私立病院(急性期病床で505床)とクアキニメディカルセンターという日本人の移民によって設立された病院(急性期病床で250床)です。
これらの病院を拠点として内科の一般病棟、ER、集中治療室をローテーションします。
また、腎臓内科、老年医学、腫瘍内科、神経内科をローテーションすることが義務付けられています。
それ以外にも選択ブロックとしてさまざまな専門分野に関し、各指導医のもとでより深い知識を学ぶことができます。
研修の中心になるのが病棟業務です。
1年目の研修医はインターンと呼ばれ、早朝の回診、カルテ書き、そのほか病棟からのファーストコールの対応などの仕事をしています。
雑用も多く、研修の中で一番大変な時期と言われています。
2年目以降の研修医はアッパーレジデントとよばれ、研修医チームのリーダーの役割を担います。
研修医チームはインターン1,2名、アッパーレジデント1名で構成されています。
多くの場合各チームに医学生が1,2名配属されています。
インターンは回診ののち、それぞれの患者に対する治療方針を、アッパーレジデントと議論します。
こうして検討された治療方針が指導医に報告され、必要な場合は修正されます。
アッパーレジデントはインターンの知識の補足、指導医との連絡役、医学生の教育、回診などの役割が与えられ、チームをうまく “まわす” ことが求められます。
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:22| その他