金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年09月25日

中村忍先生(近況報告):百日紅


百日紅

 


中村忍先生
は、金沢大学第三内科の大先輩です(昭和44年に入局されています)。同門会報の玉稿をいただました。

同門会報が、同門の先生、関連病院の先生方に届くのは大分先になってしまいますが、中村先生のご了解をいただきましたので、ブログ記事としてもアップさせていただきたいと思います。

 

 

「百日紅」

「百日紅(さるすべり)」のように過ごしたいと思うようになりました。

ある新聞のコラムを読みましたら、百日紅は「怠け者の木」とも呼ばれていると書かれていました。

百日紅を怠け者呼ばわりしたのは芥川龍之介のようです。彼は「朝寝も好きなら宵寝も好きなる事、百日紅の如きは滅多になし。自分は時々この木の横着なるに、人間同様腹を立てる事あり」と、このつるつるした肌の「変な木」を評しています。

春になって他の樹木が次々と新緑を付けていく中で、百日紅は一向に芽を吹く気配はなく、さては枯れたか、と心配をしているといつの間にか葉を付け、夏になると鮮やかな白やピンクの花をつけます。

3ヶ月間ほど楽しませてくれた後に秋の気配が感じられるようになると、他の木々が未だしっかりと目を楽しませてくれているのに、さっさと落葉します。怠け者ながら、出処進退を心得ているようです。


我が家にも3年ほど前に植えた百日紅が一本あります。花の少ない夏に何か心和ませるものはないかと考え植えました。しかし庭の土がよくないのか、古くから住着いているモグラのためか一向に満足な花をつけず、主人に似たようで他家の百日紅より一層「怠け者」になっています。

しかし何となくこの木が気に入っています。今後は百日紅のように、焦らずにゆっくりと暮らし怠け者でありたい、そして短くても楽しい時間を過ごしたいと願っています。


11年間の奈良暮らしからこの3月末に金沢に戻り、現在は細胞診とドック診察のパート勤めをしています。久しく細胞を観ていませんでしたので、目のリハビリをしつつ、また、ドックの結果報告書の書き方に戸惑いながらも楽しんで仕事をしいます。

余暇は有り余るほどあります。これと言って趣味のない私には、時間の使い方が分からずに苦労しています。家内からは「わしも族」「濡れ落ち葉」禁止令が出ています。

今のところ生活のペースメーカーは、陽が傾いてからの庭の草取りです。

奈良の古刹・名刹を訪ね歩いた際に庭を美しく飾る杉苔に魅せられ、我が家の赤く枯れかかった杉苔をなんとか蘇らせたいと思っていました。

先ず雑草を取り、苔が生えやすくしなくてはと思い、草取りを始めました。これがなかなか大変ですが、頭を空白にしたり、物事を集中して考えるのに意外と役立つことに気が付きました。

梅雨から夏にかけては、取っても取っても一雨毎に雑草が生え、「賽の河原」状態、おまけに蚊に刺されて、もう止めようか何度も思いましたが、気持ちが通じたのか、最近ようやく雑草の生え方も鈍り、朝露に苔が美しく光るようになりつつあります。


話は変わりますが、先日奈良医大時代の教室の人たちが、尋ねてきました。

何か食べたいものはないかと前もって問い合わせたところ、若手の先生方は、金沢の名物?の「治部煮」「ハントンライス」「チャンピオンカレー」を食べたいと言ってきました。

後の二つは全く知りませんでした。

皆さんは食べられたことがありますか?と言うことでハントンライスを試食に行ってきましたが、すごいボリュームで、勢いで食べないととても食べきれないほどのてんこ盛りです。

金沢には未だ知らないものが沢山あることを改めて感じ、美味探訪が楽しみになってきました。

このようなことで、現在のところ無事に過ごしております。時間のある方、借景が自慢の拙宅にお越し下さい。


「写真」 我が家の怠け者、「百日紅」です

 

関連記事:末永孝生先生(近況報告):亀田総合病院

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:53| その他