金沢大学・血液内科・呼吸器内科
※記事カテゴリからは過去の全記事をご覧いただけます。
<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2012年08月31日

中尾眞二:金沢大学医学部第三内科

金沢大学 細胞移植学(血液・呼吸器内科学)教室【3】
(旧:金沢大学内科学第三教室)

リンク:金沢大学内科学第三教室史:インデックス

 

 松田保先生:金沢大学医学部第三内科 二代目教授(名誉教授)

(在職 昭和59年7月〜平成11年3月)

 

金沢大学 細胞移植学(血液・呼吸器内科学)教室【4】

<第三代教授 中尾 眞二>(在職 平成11年8月〜現在)


<教授略歴>

昭和30年大阪市に生まれる。

昭和55年3月金沢大学医学部卒業。

昭和59年3月同大学院医学研究科修了。恵寿総合病院、国立療養所金沢若松病院に勤務。

昭和63年5月アメリカ国立衛生研究所臨床血液部門に留学。

平成元年金沢大学内科学第三助手

平成4年7月   金沢大学医学部 内科学第三 講師

平成11年8月  金沢大学医学部 内科学第三 教授

平成13年4月  金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻・細胞移植学教授

平成16年4月  金沢大学医学部附属病院検査部部長 併任

平成18年4月  金沢大学医学部附属病院副病院長 併任

平成22年4月 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻長 併任

平成24年4月 金沢大学医薬保健研究域医学系 副系長 併任

平成17年の金沢大学医学部附属病院における臓器別診療体制の強化に伴い、血液内科、血栓止血、呼吸器内科の3領域に分かれて診療・研究活動を進めている。


<主な学会会長>

平成12年6月 第181回日本内科学会北陸地方会
平成25年3月 第35回日本造血細胞移植学会学術総会


<所属学会>

日本血液学会理事、日本造血細胞移植学会副理事長、日本内科学会評議員。アメリカ血液学会


<研究内容>

血液グループ
同種造血幹細胞後の移植片による抗白血病効果の解析
骨髄緩和的移植前処置による同種造血幹細胞移植の普及
骨髄不全における免疫病態の解明

血栓止血グループ
播種性血管内凝固症候群(DIC)の病態解析と新規治療法の開発
抗リン脂質抗体症候群(APS)の病態解析と新規治療法 の開発
先天性凝固異常症の遺伝子解析
動脈硬化性疾患の病態解析

呼吸器グループ
患者間および病態間における喘息病態の不均一性の解明
新規疾患概念「アトピー咳嗽」の発見・確立と慢性咳嗽診療の体系化
腫瘍代替組織を用いた肺癌特異的な遺伝子変異の検出と治療効果予測及び肺癌における遺伝子異常と治療反応性の体系的解析
増殖因子受容体・細胞分裂関連酵素の発現と小細胞肺癌の予後
骨髄移植後閉塞性細気管支炎発症における増殖因子の解析
IgG4関連肺疾患の臨床像と予後


<研究成果>

血液グループ
第三内科における骨髄移植の伝統を継承し、同種末梢血幹細胞移植や臍帯血を用いた骨髄緩和的臍帯血移植に国内ではいち早く着手した。その結果、臍帯血移植にはNK細胞による強い抗白血病効果があることを明らかにした。ドナーT細胞による抗白血病効果を明らかにするための大量ドナーリンパ球輸注療法、シクロスポリンのピークレベルを高く保つことによる移植片対宿主病予防法、再生不良性貧血の免疫病態マーカーの意義を明らかにするため共通プロトコールによる免疫抑制療法などの全国的な臨床試験を行い、診療ガイドラインの作成に寄与した。
再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などの骨髄不全において、特定のHLA-DRB1アレル、発作性夜間血色素尿症(PNH)患者で増加しているGPI-アンカー膜蛋白欠失血球、造血幹細胞における6番染色体短腕の片親性2倍体により、特定のHLAクラスIアレルを欠失した白血球、などが免疫病態のマーカーであり、これらが骨髄不全の発症に密接に関係していることを初めて明らかにした。これらはすべて診療に利用されている。

血栓止血グループ
動物モデルと分子マーカーを駆使することにより、DICの病態を明らかにした。抗リン脂質抗体症候群の病態における抗PS/PT抗体の意義を見出し、その成果を治療に応用した。全国で発生する凝固異常症について、依頼に応じて遺伝子解析を行うとともに、組み換えDNAの手法を用いて異常分子を作製し、それぞれの機能異常を明らかにした。
日本止血学会の学術標準化委員会では、DIC部会と抗リン脂質抗体症候群部会において当グループのスタッフが部会長となり主導的役割を果たした。

呼吸器グループ
気管支喘息は発作の誘因によって病態が異なり、同じ誘因であっても患者間で病態が異なることを明らかにした。我々が解明したアルコール喘息におけるヒスタミンの役割は喘息ガイドラインに採用されている。
日本における慢性咳嗽の三大原因疾患の一つである「アトピー咳嗽」を発見した。これが、慢性咳嗽診療の体系化(咳嗽ガイドラインの発刊)に繋がった。
腫瘍組織検体が採取しにくいという肺癌の問題点を克服するため、血液を腫瘍代替組織として用いることにより、分子標的薬の標的となる遺伝子異常の検出方法を確立した。この方法は現在世界で広く用いられている。
びまん性肺疾患の研究ではIgG4関連肺疾患の臨床病理学的解析を進め、診断ガイドラインに寄与している。

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集
 

 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:22| その他