金沢大学第三内科関連病院:厚生連高岡病院(1)
当院の関連病院を紹介させていただいます。
今回は、厚生連高岡病院です。
「厚生連高岡病院」
総合的がん診療センター長・腫瘍内科診療部長
柴田和彦(1988年度入局)
厚生連高岡病院は、富山県西部最大規模の病院(一般病床567床)で、高岡駅のやや西側に位置しています。
設立母体は、富山県厚生農業協同組合(要するに農協)で、その意味では私立病院ですが、いわゆる公的病院の一形態です。
通常の病院と同様に業務に関しては厚生労働省の管轄ですが、同時に、その経営状態等に関しては農協を管轄する農林水産省の指導も受けています。
病院の改築等の際にも、農水省がやたらと口を出すそうです。
私は1997年に当院に赴任し、早いもので15年が経ちました。
赴任した年に、救命救急センターの指定を受け、三次救急病院となりました。
ほぼ一日おきに二次輪番の当番病院となり、輪番日には全科オンコール体制をとります。
輪番日の当直はそれなりに大変ですが、月に多くても2回程度なので、50に近い年となっても何とかこなしています。
また、赴任当時は、内科が第一内科と第二内科に完全に分かれて診療を行っていました。
北陸三県では唯一、金沢大学の第一・第二内科が、ほぼ同じ規模で相乗りした病院で、当時は第一内科に血液内科医を、第二内科に呼吸器内科医を、それぞれ一人ずつ第三内科から派遣しており、私も第二内科の呼吸器内科医として赴任しました。
思えば無駄が多かったと思いますが、幸いに1999年5月に新診療棟(東棟)が完成した際に、内科病棟は臓器別になり、その後数年をかけて院内での一内・二内の垣根はほぼ取り除かれました。
臓器別の病棟となった際に、たまたま呼吸器内科と血液内科は同じ病棟に割り当てられ、「第三内科病棟」が発足することになりました。
現在はこの病棟(1病棟7階)は、血液内科と腫瘍内科の病棟となり、呼吸器内科は呼吸器外科と同じ病棟をベースに診療を行っています。
当院の診療の柱は、「救急」と「がん」です。
第三内科に関連の深いがん診療に関して言えば、赴任当時にはまだまだハード、ソフトともに不十分な点が多く、かなり限界を感じていました。
2000年にライナックが稼働し、ようやく本格的な放射線治療が可能となりました(治療医は未だに非常勤ですが)。
また、2002年7月1日には、北陸地方では最も早く、通院でのがん化学療法専用の部門「外来点滴センター」が9床で発足しました。
同じ頃に、血液内科・山崎宏人先生が、当院での同種造血幹細胞移植の第一例目を成功させました。
2004年9月には、全面的に電子カルテが導入されましたが、この際に化学療法専用機能を稼働させ、院内での化学療法のマネージメントを一気に進めていきました。
2007年1月には、地域がん診療連携拠点病院の指定を受けましたが、その際、「富山型がん診療体制」の中で、「化学療法」分野の担当病院となりました。
その業務として、化学療法に関する市民講座や、各病院で院内での化学療法の実務にたずさわるスタッフを対象とした「がん化学療法チーム養成ワークショップ」を開催しています。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:23| その他