2013年06月13日
後天性血友病Aの治療法
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター
「後天性血友病Aの治療法」
著者名:Douglas W, et al.
雑誌名:Br J Haematol 161: 157-165, 2013.
<論文の要旨>
後天性血友病A(AHA)は、出血の既往歴や家族歴のない個人に致命的な出血症状をきたす疾患です。
第VIII因子に対する自己抗体が出現するこの病態の基礎疾患として、妊娠、自己免疫性疾患、悪性腫瘍などが知られていますが、明らかな基礎疾患がない場合もあります。
本疾患では急性から反復性の出血により致命的となることがあるため、迅速な診断と治療が求められます。
治療目標は止血管理と第VIII因子インヒビターの除去の二つあります。
無作為臨床試験はないために専門家の意見によって治療が行われているのが現状です。
止血管理とインヒビター除去の第1選択薬は普辺的に受け入れられているが、著者らは第2選択薬についても論じています。
<第一選択薬>
・止血管理:aPCCまたはrFVIIa
・インヒビター除去:ステロイド ± サイクロフォスファマイド
<第二選択薬>
・止血管理:他方のバイパス製剤への変更、2者バイパス製剤の連続or併用投与、免疫吸着療法
・インヒビター除去:リツキシマブ ±(ステロイド、サイクロフォスファマイド、サイクロスポリン、アザチオプリン、サイクロフォスファマイド&ヴィンクリスチン&プレドニゾン)
<リンク>
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:28| 出血性疾患