2013年09月30日
血液内科試験:von Willebrand 病(VWD)
平成25年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学
平成25年9月10日(火)
23歳、女性。
1歳頃より皮下出血や鼻出血を高頻度に認めていた。
3歳時の予防接種後に接種部位の出血がなかなか止まらず、凝固学的精査を行った所、APTT 72.1秒(25.0-37.0)、PT11.5秒(10.0-11.8)、FVIII活性1.8%(70.0-130)、von Willebrand因子(VWF)活性6%未満、VWF抗原量5%未満であり、von Willebrand 病(VWD)と診断された。
またVWF マルチマー泳動においてバンドは全く見られなかった。
患児の妹もVWDと診断された。
治療経過として出血時に( )の投与を開始したが、約20回目の投与中に、呼吸困難などのアナフィラキシー症状が出現。
その時の採血検体から高力価の抗VWFインヒビターが検出された。
上記の( )に当てはまるものはどれか。1つ選べ。
a. 濃厚血小板
b. 新鮮凍結血漿
c. デスモプレシン(DDAVP)
d. 血漿由来第VIII因子製剤
e. 遺伝子組換え第VIII因子製剤
(解説)
この問題は、サービス問題です。
試験問題というよりも、von Willebrand 病(VWD)とはどういう病気なのか、試験時間中に勉強していただけます。
血漿由来第VIII因子製剤が、VWDの出血時の治療薬です(遺伝子組換え第VIII因子製剤は不可です)。
デスモプレシン(DDAVP)も、VWDの出血時の治療薬ですが、von Willebrand因子(VWF)活性6%未満の重症症例には無効です。加えて、アナフィラキシー症状の出現もありません。
(正答)d
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:38| 医師国家試験・専門医試験対策