金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年10月17日

アミロイドーシスと出血(5)病理

アミロイドーシスと出血(4)第X因子低下&線溶活性化の症例より続く。


<アミロイドーシスと出血>
(5)

注意点

ALアミロイドーシスの出血傾向は、多岐にわたる要因により生じていますので、必ずしもFX活性値は出血の程度を反映しません。

また、FX活性値より、周術期の出血量を予測することは困難です。

Thompson CA,et al. Systemic AL amyloidosis with acquired factor X deficiency: A study of perioperative bleeding risk and treatment outcomes in 60 patients. Am J Hematol. 2010; 85: 171-3.


ALアミロイドーシスの出血傾向では、APTT延長、FX活性低下に注目しやすいですが、線溶活性化にも着目し、血中α2-PIが低下しPICが著増しているような症例の止血治療には、抗線溶療法を試みると著効する場合があります。


アミロイドの病理所見

図1


参照:腎生検の病理標本

Suzuki K. Diagnosis and treatment of multiple myeloma and AL amyloidosis with focus on improvement of renal lesion. Clin Exp Nephrol. 2012; 16: 659-71.

 
アミロイドは、病理学的にCongo red染色でオレンジ色に染まり、偏光顕微鏡で観察すると黄色または黄緑色の偏光を生じます。

電子顕微鏡で観察すると、幅 7〜15 mmの細長い線維が錯綜して存在しています。


(続く)アミロイドーシスと出血(6)全身性アミロイドーシスの分類



<リンク>:臨床に直結する血栓止血学

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:58| 出血性疾患