アミロイドーシスと出血(5)病理
アミロイドーシスと出血(4)第X因子低下&線溶活性化の症例より続く。
<アミロイドーシスと出血>(5)
注意点
・ALアミロイドーシスの出血傾向は、多岐にわたる要因により生じていますので、必ずしもFX活性値は出血の程度を反映しません。
また、FX活性値より、周術期の出血量を予測することは困難です。
Thompson CA,et al. Systemic AL amyloidosis with acquired factor X deficiency: A study of perioperative bleeding risk and treatment outcomes in 60 patients. Am J Hematol. 2010; 85: 171-3.
・ALアミロイドーシスの出血傾向では、APTT延長、FX活性低下に注目しやすいですが、線溶活性化にも着目し、血中α2-PIが低下しPICが著増しているような症例の止血治療には、抗線溶療法を試みると著効する場合があります。
アミロイドの病理所見
参照:腎生検の病理標本
Suzuki K. Diagnosis and treatment of multiple myeloma and AL amyloidosis with focus on improvement of renal lesion. Clin Exp Nephrol. 2012; 16: 659-71.
アミロイドは、病理学的にCongo red染色でオレンジ色に染まり、偏光顕微鏡で観察すると黄色または黄緑色の偏光を生じます。
電子顕微鏡で観察すると、幅 7〜15 mmの細長い線維が錯綜して存在しています。
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<リンク>:臨床に直結する血栓止血学
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:58| 出血性疾患