金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年05月27日

新しいDIC診断基準へ(9)改訂へ

新しいDIC診断基準へ(8)アンチトロンビン(AT)より続く

新しいDIC診断基準へ(9)改訂へ

新しいDIC診断基準に求められるものは何でしょうか?

全ての基礎疾患に用いることができて、旧厚生省基準の不具合を解消した基準が求められると思います。

この記事を書いている時点で、日本血栓止血学会ではDIC診断基準作成委員会により新しいDIC診断基準の作成が行われています。

既述の問題点をクリアした診断基準の登場を待ちたいと思います。

新しいDIC診断基準に求められるものを、以下に列記しました。


<新しいDIC診断基準に求められる条件>


1.    全ての基礎疾患に適用できること。ただし、もし適用できない領域があれば明記すること。

2.    基礎病態により診断基準を使いわけること。
・    血小板数を使用しない病態(造血障害)
・    フィブリノゲンを使用しない病態(感染症)

3.    基礎疾患、臨床症状をスコアリングから外すこと。

4.    血小板数の経時的低下に配慮すること。

5.    凝固活性化関連の分子マーカーを採用すること。

6.    アンチトロンビン活性の扱いをどうするか。

7.    肝不全症例での誤診対策が万全であること。

8.    血小板数、FDP、フィブリノゲン、PT、AT、凝固活性化関連分子マーカーはDICに特異的マーカーではないことの注意喚起があること。


DIC の病型分類: Classifying types of disseminated intravascular coagulation: Clinical and animal models. Journal of Intensive Care 2:20, 2014

 
<リンク>
「臨床に直結する血栓止血学」

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:52| DIC