新しいDIC診断基準へ(9)改訂へ
新しいDIC診断基準へ(8)アンチトロンビン(AT)より続く
新しいDIC診断基準へ(9)改訂へ
新しいDIC診断基準に求められるものは何でしょうか?
全ての基礎疾患に用いることができて、旧厚生省基準の不具合を解消した基準が求められると思います。
この記事を書いている時点で、日本血栓止血学会ではDIC診断基準作成委員会により新しいDIC診断基準の作成が行われています。
既述の問題点をクリアした診断基準の登場を待ちたいと思います。
新しいDIC診断基準に求められるものを、以下に列記しました。
<新しいDIC診断基準に求められる条件>
1. 全ての基礎疾患に適用できること。ただし、もし適用できない領域があれば明記すること。
2. 基礎病態により診断基準を使いわけること。
・ 血小板数を使用しない病態(造血障害)
・ フィブリノゲンを使用しない病態(感染症)
3. 基礎疾患、臨床症状をスコアリングから外すこと。
4. 血小板数の経時的低下に配慮すること。
5. 凝固活性化関連の分子マーカーを採用すること。
6. アンチトロンビン活性の扱いをどうするか。
7. 肝不全症例での誤診対策が万全であること。
8. 血小板数、FDP、フィブリノゲン、PT、AT、凝固活性化関連分子マーカーはDICに特異的マーカーではないことの注意喚起があること。
DIC の病型分類: Classifying types of disseminated intravascular coagulation: Clinical and animal models. Journal of Intensive Care 2:20, 2014
<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:52| DIC