一勤務医として医局への貢献を考えてみる(6)標準的療法ない
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。
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「一勤務医として医局への貢献を考えてみる」(6)標準的療法がない
Clinical trialがいつもあるとは限りません。
ガイドラインには同種移植やBSCが同列に記載されていますが、それらは治療の目標とする意味合いが大きく違いますし、どれか一つを選択すればいいという類いのものではありません。
私は、標準的療法がなくなった後の治療をどうするかと考えることこそ専門医の腕の見せ所で、専門医の存在価値が問われ、やり甲斐のあるところではないかと思います。
人によって意見は異なることなのでこのことに必ずしもご賛同いただけるとは思っていませんが、やり甲斐を持つことが大事であることは理解していただけると思います。
幸い急性白血病は初回治療不応性となっても治癒を目指すことがまだ可能です。
当科では、他院から治療艇庫性の急性白血病患者を受け入れたときは、主治医にまず治癒を目指した治療計画を考え、カンファレンスで説明してもらうことにしています。
そしてスタッフ全員で具体的な日時をあげながら予定を立て、現実可能な治療計画かどうか意見を出し合い、例えば主治医が外来などで幹細胞採取が出来ない時は代役を立てるなどを相談します。
主治医の立てた治療計画をスタッフ全員で支えるようなイメージしていただけるとよいかと思います。
残念ながら、計画通りには進まず途中で断念することになることもありますし、計画通りにやれてももとの病気が再発してしまうこともあります。
しかし計画通り、あるいは苦労した末に退院までこぎ着けることもあるのです。
少ないながらも上手くいった例を経験した主治医は専門医としての大きな自信を持つことが出来るのではないかと思います。
今後は専門性を深く追求出来るようにすることも考えていきたいと思っています。
病院や対象となる疾患によって活躍の場は様々です。
診療以外に論文執筆や学会発表で自信を付ける人もいると思います。
今後も当科の特徴を活かして専門医として活躍できることを考えていきたいと思います。
うちではこうしているというご意見もあると思います。
もっと意味のある取り組みをされている先生方もおられることだと思います。
今述べたことは当たり前のことばかりで、たいしたことは何もなく、書いていて恥ずかしいばかりですが、医局に対して何が出来るのかということを改めて考えていただくきっかけになれば大変嬉しく思います。
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<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:35| その他