出血性疾患の種類と治療(6)血管壁の異常
<出血性疾患の種類と治療>(6) 血管壁の異常
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単純性紫斑、老人性紫斑など、放置しても支障ない病態が多いです。
アレルギー性紫斑病(Schoenlein-Henoch紫斑病)も、しばしば自然治癒します。
ただし、遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)では、繰り返す鼻出血のために頻回の赤血球輸血が必要となる場合があります。
トラネキサム酸が試みられることがあります。
Gaillard S, et al. Tranexamic acid for epistaxis in hereditary hemorrhagic telangiectasia patients: a European cross-over controlled trial in a rare disease. J Thromb Haemost. 2014; 12: 1494-502.
Geisthoff UW, et al. Treatment of epistaxis in hereditary hemorrhagic telangiectasia with tranexamic acid - a double-blind placebo-controlled cross-over phase IIIB study. Thromb Res. 2014; 134: 565-71.
塩谷隆信.遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病). 臨床に直結する血栓止血学, p152-160, 中外医学社, 2013.
ただし、トラネキサム酸が有効でない場合も多いです。
なお、遺伝性出血性毛細血管拡張症では見逃し例も予想されます。
本疾患では、舌にも毛細血管の拡張が観察される場合があるため、鼻出血の症例に遭遇したら必ず舌の観察も行うようにしたいです。
遺伝性出血性毛細血管拡張症の鼻出血に対しては、耳鼻科的なバイポーラー電気焼灼術(BES)が有効と教科書には記載されていますが、BESを繰り返し行うことでより深部の太い血管まで露出するようになると、かえって鼻出血の重症化に難渋することもあります。
安易なBESは控えたいところです。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:32| 出血性疾患