金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年06月03日

止血機序・von Willebrand(フォン・ヴィレブランド)因子:CBT

CBT再現問題と解説です。

止血の機序を図示する。(図は省略)
von Willebrand(フォン・ヴィレブランド)因子の作用部位はどれか。


A (1)

B (2)

C (3)

D (4)

E (5)  


(解説)
A〜E  von Willebrand(フォン・ヴィレブランド)因子は、血小板がコラーゲンに粘着(血小板粘着)する際に必要です。

血小板凝集の際にはフィブリノゲンが必要となります。



(参考)

von Willebrand病は、von Willebrand因子が先天性に欠損する出血性素因です。

血小板粘着に障害をきたし、鼻出血などの粘膜出血をきたします。

von Willebrand因子には、以下の2つの役割があります。

1)    血小板粘着

2)    第VIII因子のキャリア蛋白:von Willebrand病では、第VIII因子は正常に産生されますが、von Willebrand因子が低下しているために第VIII因子は安定して血中に存在できず、第VIII因子活性も低下します。

von Willebrand病では、出血時間の延長(血小板粘着障害のため)、APTTの延長(第VIII因子活性低下のため)がみられますが、PTは正常です。


(正解)
 (3)



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:33| 医師国家試験・専門医試験対策