金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年10月05日

金沢市立病院での歩み(2):金沢大学第三内科(呼吸器内科)

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)の同門会報原稿からです。

金沢市立病院での歩み(2)吸入 & RST
 by  安井正英

金沢市立病院での歩み(インデックス):金沢大学呼吸器内科

大学時代には、毎週金曜日、藤村先生のお隣で長らく外来をさせていただきました。

藤村先生は、高齢の喘息患者さんに対しても常に熱い吸入指導をされており、私も自然と吸入手技にはこだわりを持つ様になりました。

市立に赴任後、喘息患者さんの吸入手技をすべてチェックしてみると、ほとんどの患者さんが不十分でした。

“市立に通院する喘息患者さんは吸入手技が完璧だ”と言ってもらいたいと考え、早々に薬剤部長に協力をあおぎました。

インチェックとトレーナーを用いてまず吸引力を客観的に評価し、オリジナルで作成した最も細かな吸入手技評価表を用いて、初回は院内薬局で吸入指導を行うことにしました。

軌道に載り始めた頃、外来患者さんには院内処方ができなくなり、薬剤部長も退職されたため、新たな方策が必要となりました。

幸い2012年「吸入指導に関する病薬連携に関する研究」で厚労省科研費を薬剤部で取得したこともあり、近隣の調剤薬局と連携するシステムの構築に取り組むことになりました。

市薬剤師会と共同し繰り返し実技セミナーを開催し、市立方式の吸入指導システムの普及につとめ、県薬剤師会でも吸入指導セミナーを開催させていただきました。

しかし、金沢市内の他の病院でも同様の取り組みが始まり、今後統一したシステムの構築が必要だと感じているところです。


2012年に呼吸ケアサポートチーム(RST)加算が導入され、北陸で最初のRSTを立ち上げました。

本来人工呼吸器管理を主目的としたチームですが、呼吸器疾患に関連するあらゆるケアをレベルアップし、さらに開発していくことを目的として活動を始めました。

病棟看護師に対する吸入指導セミナー、気管支体操による気管支分岐の理解およびそれを用いた体位ドレナージ法の習得や気管支鏡検査後の看護などに取り組んできました。

さらに、金沢大学保健学科根本教授のご尽力を得て、NPPVマスク接触圧の測定とモニタリングおよびマスク内圧—呼吸モニターシステムの開発にも取り組みました。

毎週火曜日午後に1時間ほど機器の調整や実験を行なっていましたが、看護師さんに被験者として体験してもらうことで、NPPVマスクフィッティングへの理解を深めてもらうことができました。

RST活動を通じて、呼吸器エキスパートナースを育成し、地域の指導的役割を担う人材を輩出することも私の目標となっています。

金沢市立病院での歩み(インデックス):金沢大学呼吸器内科

 <リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:07| その他