金沢大学・血液内科・呼吸器内科
※記事カテゴリからは過去の全記事をご覧いただけます。
<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2016年01月02日

金沢で学会をやるということ(2)学会長と開催地が決まるまで

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。

今回は、教授ノートです。

金沢で学会をやるということ(2)学会長と開催地が決まるまで

by  中尾眞二教授

大きな学会の場合、会場を確保するのが困難であるため、通常は開催の3年前に学会長が選出され、その会長が会場と開催期日を決定します。

日本血液学会のような古い学会では、かつては業績のある高名な先生が自薦あるいは他の理事から理事長に推薦され、理事会の暗黙の了解で学会長が決められていました。

10数年前の理事会で、私を含めた数人の若手理事が、透明性や公平性を高めるために立候補制に変えることを提案した結果、現在の立候補制に変わりました。

2012年6月に第77回の学術集会長が公募された時には私以外にもう一人の立候補者があり、実質的には本学会が始まって以来初めて複数候補者を対象とした選挙が行われました。

選挙になったこと自身は、立候補制にした当初の目的が達せられたという意味で、学会にとってはよいことでしたが、普段親しくしている他の候補者と競うのはあまり気分のよいものではありませんでした。

結果的に私が選出され、3年先に向けた準備が始まりました。


選挙の当日、理事会終了後に事務局長から言われたのは、学会場を早々に予約する必要があるので近日中に開催場所をどこにするか決めてほしい、ということでした。

血液学会は、臨床血液学会と日本血液学会が一体化して以来5000人規模の学術集会になったため、開催地は基本的に横浜パシフィコ京都国際会議場のどちらか、または大阪、名古屋、福岡などの大都市に限られるようになっていました。

京都国際会議場とパシフィコ横浜は仮押さえしてあると事務局長から聞いた時は、第75回が京都、第76回が札幌、第76回が大阪で開催されるので、横浜の方がいいかな、くらいに思っていました。

その年の3月に金沢で開催した造血細胞移植学会では、遠方から参加した先生が最終日に飛行機が取れなくて非常に苦労したという話を聞いていたので、金沢で学会を開催するという考えは最初から頭にありませんでした。

ところが、選挙が終わって東京の理事会会場を離れようとした時に、理事のM先生から「先生、金沢は素敵なところなので、是非金沢で学会をやって下さい」と、社交辞令とは思えない熱い口調で言われ、その場に残っていた別の理事にも同じことを言われました。

ただ、金沢の町が好きな先生がいることはとても嬉しかったものの、その時は現実味のない話だと思っていました。


しかし、金沢に帰ってからもその理事の意見が頭に残っていたので、翌日石川県立中央病院で開催された日本血液学会北陸地方会で保健学科長の大竹先生に、金沢で開催して欲しいという意見もあるがどうでしょうか、と相談しました。

そうしたところ、2015年と言えば3月に北陸新幹線が開業するんじゃなかったっけ、と大竹先生から言われ、そこで初めて東京−金沢間のアクセスが格段によくなることに気付きました。

そこから金沢開催説が俄然盛り上がることになりました。

金沢で学会をやるということ(インデックス)日本血液学会学術集会  へ
 

 <リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

金沢大学血液内科・呼吸器内科HP

金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ

研修医・入局者募集
へ 

 
 
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:19| 研修医の広場