2017年01月13日
伝統と文化のまちづくり(16) 個性と魅力の発信
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会:平成28年7月17日(日)東急ホテル
伝統と文化のまちづくり: 山出保前金沢市長(インデックス)
特別講演
「伝統と文化のまちづくり」(16) 個性と魅力の発信
石川県中小企業団体中央会会長、前金沢市長
山出 保
最後に申し上げます。
私は新幹線でたくさん人が来てくれて有難いと思います。
しかし金沢市民は、今の時点でもう一度まちづくりの基本に立ち返ることが必要だと思っています。
基本とは何ぞやと言いますと、「金沢の個性」って、何だろうかなと。
私は、歴史と文化だと言いたい。
歴史は戦禍にあったことがないという歴史。
だからこそ多様な文化を内在し学術もあります。
これが金沢の個性です。
そして、「金沢の魅力」とは何か。
個性っていうのは主観的な概念です。
魅力というと、人の心を引きつける力のさまという理解をしています。
目に見えるような力のさまのことですから、より客観的な概念です。
それでは金沢の魅力は何か、一つは歴史の多層性だと思います。
いろんな時代相が金沢の町にみられるということです。
例えば、江戸期の建物もあれば、明治の建物もあれば、現代の建物もある。
お城へ行ったら、江戸期の石垣があるけど、その江戸の石垣をよくみると、初代の殿様が積んだ石か、三代目が積んだ石か、五代目が積んだ石か、みんな分かる。
歴史の多層性が目に見える、というのが金沢の魅力だと思います。
そして、文化の多様性です。
その中身は何かと言ったら、芸ごとがあると、お医者さんも人によってはお謡いをなさいますし、小唄をやられるお医者さんもいらっしゃる。
金沢の芸ごとはやはり幅が広い。
アンサンブル金沢というクラッシック音楽もあれば、ジャズ、ロック、そういうアマチュアの音楽もあるということですので、文化は多様です。
芸ことだけではありません。
工芸、手仕事があります。
なおかつ、食があります。
食べ物がある、お菓子も料理もある。
このように文化は多様であって、これらが目に見える、
それが金沢の魅力だと思っています。
私はごく最近ですが、恥ずかしながら、1つ2つ本を書くことをしました。
その読書会をやりまして、読書会を通じて、「金沢らしさ」とは何かという議論をしようと言うことになりました。
私に金沢らしさとは何かをしゃべれと、こんなことになりました。
一方、金沢赤十字病院に副医院長の西村先生がいらっしゃいますが、西村先生が私に言われました。「金沢らしいホスピスの家をつくりたいので、ついては金沢らしさとは何かを山出さんに話して欲しい」ということになりまして、しゃべったことがあるのです。私は金沢らしさについて4つをあげました。
1つは「親しみ」。
東京や大阪のような大きい町ではありません。
規模はヒューマンスケールですから、町を歩きますと人々の暮らしとか生業がわかる、何となく親しい、これが金沢らしさの1つの要素だと思っています。
そして、2つ目に先程言いましたが、町に緑があって、水がある、心が癒されます。
金沢に行ったら何となく心が落ち着く。
「癒し」も金沢らしさの大事な要素だと思います。
3つ目に「こだわり」ということを言いました。
金沢は学都です。
前田の殿様の頃から学問を大事にしてきました。
一方で美術王国とも言われ、美術も大事にしてきました。
ですから、どんなことにもこだわります。
いい加減な仕事はしません。
生半可は許されません。
それが金沢だと思っています。
そういう意味で「こだわり」を大事にしたいというふうに思います。
4つ目に、「思いやり」です。
雪が降って、お茶が盛んで、仏教王国で、ですからお互いに雪道を譲り合うことをします。
そして、お菓子をお客様に差し出して、食べていかれなかったら、半紙に包んでお持ち帰りいただくこともします。
これを、「おもたせ」と言いますけど、こういうのも思いやりですし、たくさん食べ物をもらったら隣近所へお裾分けをするというのも思いやりだと思っていまして、私はこの4点が金沢らしさの要素だと思っているんです。
伝統と文化のまちづくり: 山出保前金沢市長(インデックス)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57| その他