金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2018年01月23日

血中DNA(リキッドバイオプシー)/EGFR

西川晋吾先生(呼吸器内科、現在がん研究会有明病院)が金沢大学在学中に行った、血中DNA(リキッドバイオプシー)のがん由来変異遺伝子をより高感度に検出できる方法を検証した研究論文が、Journal of Thoracic Diseaseに採択されました。
 

西川先生

Title:
Selective gene amplification to detect the T790M mutation in plasma from patients with advanced NSCLC who have developed EGFR-TKI resistance

Authors:
Shingo Nishikawa, Hideharu Kimura, Hayato Koba, Taro Yoneda, Satoshi Watanabe, Tamami Sakai, Johsuke Hara, Takashi Sone, Kazuo Kasahara, Shinji Nakao

Journal:
Journal of Thoracic Disease (accepted)

この研究は、進行期肺癌患者の治療標的となる上皮成長因子受容体(EGFR)の遺伝子変異を高感度で検出するために開発された方法を用いて、循環血中DNA(cell-free DNA, cfDNA, リキッドバイオプシー)に応用できることを示しました。

現在、リキッドバイオプシーは患者様の身体的負担の少ない遺伝子検査として、抗がん剤治療薬を選択するために日常診療で用いられています。

しかし、現在承認されている検査方法では、検出感度が低いことが問題となっています。

西川は、本研究で用いた方法が、現在承認されている検査方法と比較して、検出感度が高く偽陽性が少ないことを明らかにしました。

この方法が確立することにより、より多くの患者様が、身体的負担の少ない検査で最適な治療を選択することができるようになると期待されます。

この研究では、英国を本拠地としたEKF Molecular Diagnostics社が開発した特定の変異部位のみを増幅できる技術を応用したPointMan™ EGFR DNA Enrichment Kitを用いています。

木村英晴助教は、以前よりEKF社が開発した変異検出キットの臨床検体を用いた検証に関わってきた経緯があり、PointMan™を提供していただきました。

 

 <リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57| 呼吸器内科