金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2016年02月21日

超高齢社会を見据えた未来医療予想図(5)看取りは在宅か病院か

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報からです。
今回は、特別講演です。

飯島勝矢先生 特別講演
(金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会:平成27年6月21日)


超高齢社会を見据えた未来医療予想図(5)

〜フレイル予防からケアまでを俯瞰した地域包括ケアシステム構築〜」

<看取りは在宅か病院か>
地域のプライマリーケア、そこに付随する介護の方々との話し合い、勉強会の時に、在宅での看取りなのか病院での看取りなのかがよく話題にされます。

この比率は、1976年くらいでトントンになりました。

僕の生まれる前は十中八九は自宅で亡くなっています。

その理由は、今ほど病院が多くなく、高度先進医療がまだ進んでいなかったことが理由かもしれません。

昔は、ご自宅でおじいちゃんが亡くなられ、おじいちゃんといっても90幾つでなくて60幾つだったかもしれませんが、その時代は畳の上で息子、娘、そして必ず孫がいて、顔に白い布を被せられて往診の先生がチャリンコでかけつけるという場面であったという風に思います。


それで我々や、我々の諸先輩方が頑張って高度先進医療を体得して、大学とか医療センターだけではなく、地域病院でも高度医療ができるようになりました。

僕自身も大学人であり、在宅医療推進の活動をする中で、在宅医療メインの方々は病院バッシングが強いです。

病院の先生が良いタイミングで退院させないという言葉を耳にします。

一方、病院は地域に委ねようと、プライマリーケアの先生が入ります。

東大病院では入院した時点で将来のプライマリーケアを見据えつつ、早く退院させようとしています。

ですからすぐリピートして戻ってくる現実もあります。

こっちを向くとこっちのバッシング、あっちを向くとあっちのバッシングです。

現実、地方に行かせて頂くといろいろ耳にします。

それで、板挟みの気持ちになります。

これはどっちが欠けてもって話ではなくて、パートナーと言う事でどういう風にやっていくのかと言う事になります。


(続く)

★ 本稿は、東京大学 高齢社会総合研究機構 飯島勝矢先生のご講演をを拝聴した事務局が原稿化したものです。もし内容に不正確な部分があった場合には当事務局の責任ですので、ご容赦お願いします。


<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:56| その他