金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2008年09月06日

早朝の血栓症(脳梗塞、心筋梗塞)とPAI

ニワトリ 脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症は、早朝時に発症しやすいことが知られています。

いろいろな理由が考えられていますが、その中の一つの理由は、早朝時には血栓を溶かそうという働き(線溶:fibrinolysis)が低下していることがあげられます。


興味あることに、線溶阻止因子であるプラスミノゲンアクチベーターインヒビター(plasminogen activator inhibitor:PAI)活性は日内変動することが知られていて、PAI活性は早朝には高まります。そのために、早朝には血栓が溶けにくくなり、血栓症を発症しやすいという訳です。

日内リズムのある体内物質はいくつか知られていますが、PAIもその一つなのです。



早朝に血栓症が多い他の理由としては、早朝には脱水傾向になっている(血液粘度が上昇する)こともあげられます。
人間は夜間睡眠中に大量に発汗して、脱水傾向となります。
私は、血栓症を発症された方に対して、再発予防の一つの方策として、寝る前の水分補給をおすすめしています。


なお、PAIは中性脂肪が高いと、一緒に高くなります。
つまり、中性脂肪が高いと、血栓が溶けにくいため、血栓症を発症しやすくなります。

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 21:27| 血栓性疾患 | コメント(0) | トラックバック(0)

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