金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2008年11月06日

播種性血管内凝固症候群(DIC):DICの本態とTAT、PIC(図解10)

DIC10
既に記事にさせていただいたように、播種性血管内凝固症候群(DIC)の本態は、基礎疾患の存在下における全身性持続性の著しい凝固活性化状態です。
決して、血小板数が低下したり、FDPやDダイマーが上昇することではありません。
血小板数が低下するのはDICの結果ですし、FDPやDダイマーが上昇することはもっと結果と言えます。

また、出血症状や臓器症状がみられることもDICの本態ではありません。

全身性持続性の著しい凝固活性化状態がDICの本態としますと、この凝固活性化状態を見るマーカーがDICの最も重要なマーカーということになります。
そのようなマーカーとして現在頻用されているのが、トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)です。

また、程度は種々ですが、凝固活性化と同時進行的に線溶活性化がみられます。線溶活性化の程度はDICの病型を大きく分けます。この線溶活性化を評価するマーカーがプラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)です。

DICの本態を見極めるためにTATを用いて、DICの病型を見極めるためにPICを用いることになります。

さて、TAT、PICとは一体どのようなマーカーなのでしょうか。次回に続きます。



なお、DICの図解シリーズの今までの記事は、右の記事カテゴリーの

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解)」←  クリック(1)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:36| 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0) | トラックバック(0)

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