金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2008年11月05日

播種性血管内凝固症候群(DIC):臓器症状(多臓器不全 MOF)(図解9)

DIC9
DICの二大症状は、出血症状臓器症状です。

既に記事にさせていただいたように、臓器症状のコントロールはしばしば困難を極めます。
DICの予後が不良である理由は、特に臓器症状の出現のためです。

さて、DICではなぜ臓器症状がみられるのでしょうか?
実はかなり複雑なのですが、今回は長年指摘されてきた内容のみにさせていただきます。
詳細は後日記事にさせていただくことになると思います。

DICでは、重要臓器において微小血栓microthrombi)が多発します。
その結果、微小循環障害をきたします。
腎臓で微小循環障害をきたせば腎不全を起こしますし、肝臓で微小循環障害をきたせば肝不全を起こします。
しばしが、多臓器において微小循環障害が同時進行的に悪化しますので、多臓器不全の病態になります。

多臓器不全は、英語ではmultiple organ failureですので、MOFと略称します。

DICの治療は、ヘパリン類などの抗凝固薬が用いられてきたのですが、微小血栓の形成を抑制して臓器症状の進行を抑制するためにあります(そして同時に血小板や凝固因子が消費されることを抑制するためにあります)。
 

なお、DICの図解シリーズの今までの記事は、右の記事カテゴリーの

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解)」←  クリック(1)

 から、ご覧いただけます。
 
 
DIC関連記事病態・診断・治療) ←  クリック(2)
 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:13| 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0) | トラックバック(0)

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