金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年01月06日

播種性血管内凝固症候群(DIC):線溶活性化と臓器障害(図解32)

DIC32


TATとPICの相関の記事でも書かせていただいたように、凝固・線溶活性化のバランスと、DIC病態は密接に関連しています。

つまり、著しい凝固活性化(TATの著増)に伴い線溶活性化も高度な(PICも著増する)場合には(FDPは著増、Dダイマーも上昇)、重要臓器において多発した微小血栓(microthrombi)が溶解されるために、微小循環障害に起因する臓器障害(多臓器不全:MOF)はきたしにくいと考えられます。


一方、凝固活性化は著明(TATは明らかに上昇)であるものの線溶活性化は軽度にとどまる(PICはあまり上昇しない)場合は(FDP&Dダイマーの上昇は軽度)、重要臓器において多発した微小血栓が溶解されにくく、臓器障害をきたしやすいと考えられます。

このように、DICにおける凝固、線溶のバランスは、DICの病態と密接に関連しています。

換言しますと、DICにおける凝固活性化(TAT)と線溶活性化(PIC)の評価はとても重要と考えられます。

 

(続く)

 

以下で、DIC関連記事とリンクしています。


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播種性血管内凝固症候群(DIC)【図説】(シリーズ進行中!!)

DIC(敗血症、リコモジュリン、フサン、急性器DIC診断基準など)

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:21| 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0) | トラックバック(0)

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