金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年01月14日

金沢大学血液内科・呼吸器内科 女医会:女性医師の時代の足音(1)

今回からシリーズで、『女性医師の時代の足音が聞こえますか』をお届けいたします。

著者は、石川県予防医学協会理事(予防医学クリニック院長 )の、魚谷知佳先生です。魚谷先生は、私たちの金沢大学 血液内科・呼吸器内科(第三内科)のご出身です。管理人とは同世代の先生ですが、見事に仕事と家庭を両立されて、バリバリとご活躍中です。

今回からシリーズでお届けする記事は、私たちの同門会報に魚谷先生が2年前に掲載されているのですが、大変示唆に富む素晴らしい原稿ですので、日本中の多くの方にご覧いただけるように、御本人の許可のもと、ブログ記事としても公開させていただきます。

 

女性医師の時代の足音が聞こえますか  (1) (2) (3) (4) (5) (6) ← 数字をクリック

女性医師の時代の足音が聞こえますか(1)

皆さんは我が医局の「女医会」なるものの存在をご存知でしょうか。この会が発足して早10年余りになるでしょうか。実態は一年に一度、女医仲間が集まって、仕事や職場の話に留まらず、家事育児、料理の話に噂話、内輪の情報交換を行う親睦会のようなものです。女性医師の待遇改善を求めて活動しようなどといった動きは、今のところ全くありません。

しかし参加させて頂くたびに、「女医さん」が年々増えて活躍されていることに驚かされます。

また何気ない会話から、仕事や家庭・育児との両立など、皆それぞれが様々な悩みを持って頑張っている姿に、お互いが励まされているようにも感じています。

私が入局した昭和60年、この頃は全国的に女子医学生の割合も、医療現場で働く女性医師の割合も、まだ10%未満と低い状況でした。また診療科によっては、女性医師の入局大歓迎という雰囲気にない医局がいくつもあったのも事実です。


しかし、我が医局は女性医師に広く門戸を開いて、家庭との両立を支援する姿勢を見せて下さったのが大変印象的でした。


当時医局にはお二人の先輩女性医師がおられ、まさに子育てと仕事の両立を実践されておられました。子連れで実験されたり医局行事に参加されたりする姿に勇気付けられ、また周囲の先生方が暖かく見守ってくださる様子に感激したのを覚えています。実際医局は女性医師に出産後の勤務先や研究期間などいろいろ考慮して下さり、今思えば私など本当に甘えさせて頂いたと感謝しています。

しかしその後徐々に女性医師の数が増えて、「女医会」が発足した頃にはかなり状況が変わってきたようでした。女性医師の割合は増えましたが入局者数が伸び悩むようになり、さらに新しい研修医制度が追い討ちをかけた形で医師不足が深刻化してきました。

関連病院へ希望とおりに医師を派遣することも難しくなり、女性医師も産休明け早々に現場復帰が求められるようになってきました。しかしこれは我が医局に限らず、若い女性医師を擁する診療科全てに共通する状況かと思います。

女性医師も働きたいのはやまやまですが、幼い子供を抱えていては、当直や急の夜間呼び出しなどにも対応が難しく、他にもいろいろな面で育児と仕事との両立に苦慮しているのは間違いありません。これまでそれぞれの医局が中心となって人事関係中心の女性医師支援をしてくださり、各関連病院でも当直免除などの特別対応をしてくださる場合がありました。

しかし今後ますます女性医師の割合が増える状況では、医局に頼った女性医師支援だけでは限界があるのは明らかだと思います。(続く:数回にわたるシリーズになります)

 


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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:00| 女性医師(当科)からのメッセージ | コメント(0) | トラックバック(0)

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