金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年01月08日

播種性血管内凝固症候群(DIC):FDP(Dダイマー)低値の意味(図解33)

DIC33

 

 

FDPやDダイマーは、DICの診断上、最も重要なマーカーの一つです。しかし、これらのマーカーの解釈には注意が必要です。

FDP(Dダイマー)が上昇しない時というのはどういう時でしょうか?
一つは、上図のような場合です。

つまり、凝固活性化が高度ではないために(トロンビン形成は少量であるために)、血栓の形成量が乏しい場合です。血栓量が少ない訳ですから、線溶活性化によりプラスミンが形成されても、血栓分解産物を反映するFDP(Dダイマー)の上昇は軽度にとどまるでしょう。

このような場合は、生体にとってはあまり不都合ではないことになります。

しかし、FDP(Dダイマー)が上昇しないという現象は、生体にとって好都合な場合ばかりではありません。実は。。。。。 (続く)

 

 

以下で、DIC関連記事とリンクしています。


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播種性血管内凝固症候群(DIC)【図説】(シリーズ進行中!!)

DIC(敗血症、リコモジュリン、フサン、急性器DIC診断基準など)

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:17| 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0) | トラックバック(0)

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