金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年01月31日

GVHD予防:造血幹細胞移植前処置としてのATG(3)


ATGによるGVHD予防】

GVHD予防効果を抗ヒトT 細胞グロブリン(ATG)の有無・使用方法で比較検討した報告が多数あります。

初期の報告では、GVHD予防・移植関連死亡(TRM)は低下したものの、再発率が高まり相殺されたものが多いようです。

Russellらは、抗胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン(商品名:サイモグロブリン TG)投与量を従来の7.5-15 mg/kgから4.5 mg/kgに減らしました。
これにより、GVHD予防効果を保持したまま、再発率と致死的感染症発症増加を抑え、生存率が改善することを示しました。
さらに、ATGを用いれば、非血縁者間移植でも血縁者間移植と同等の治療成績が期待できることも示されました。


さらに、Remberger らは、非血縁者間移植患者を対象に、TGの使用量を4・6・8・10 mg/kgの4段階にわけて比較検討しました。
TG 4 mg/kgでは急性GVHD予防効果に乏しく、また10 mg/kgの場合はGVHD予防効果はTRMと再発率増加で相殺されました。
生存率が最も高かったのは、TG 6または8 mg/kgだったのです。

使用量の検討はとても重要のようです。



(続く)

 

【シリーズ造血幹細胞移植前処置としてのATG

1)背景
2)作用機序
3)GVHD予防 
4)晩期効果 
5)急性GVHDに対するpre-emptive ATG療法 
6)臍帯血移植&GVHD

 

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:03| 血液疾患(汎血球減少、移植他) | コメント(0) | トラックバック(0)

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