金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年02月07日

ガイドライン:咳嗽の診断と治療(1)

 


【咳嗽ガイドラインの背景】

(日本)
日本呼吸器学会咳嗽に関するガイドライン」が発刊(2005年9月)。
(欧米)
1998年:ACCPからevidence-based consensus panel reportとして「Managing Cough as a Defense Mechanism and as a Symptom」 が発刊。
2006年:ACCPから改訂版「Diagnosis and management of cough: ACCP evidence-based clinical practice guidelines」が発刊。
2006年:英国で「Recommendations for the management of cough in adults」が発刊。

 

【慢性咳嗽の主要な原因疾患】各ガイドラインの記載内容

咳1




【咳嗽の三大原因疾患】

欧米
1)    鼻・副鼻腔疾患による咳嗽
2)    胃食道逆流による咳嗽
3)    喘息性咳嗽(咳喘息)


日本
1)    咳喘息
2)    アトピー咳嗽
3)    副鼻腔気管支症候群



鼻・副鼻腔疾患による咳嗽と胃食道逆流による咳嗽の咳嗽発生機序が明確には解明されていないこと、人種や地域性が異なることなどが欧米と我が国の咳嗽原因疾患の相違の原因となっている可能性があります。

 


【ガイドライン作成へ】
上記のような背景に基づいて、我が国の実地臨床に役立てることを目的とした独自のガイドラインが作成されました。

これまでにも欧米では咳嗽に関するconsensus reportが執筆されていますし、日本においても用いられてきました。しかし、上記のように本邦の咳嗽患者の原因疾患と欧米のそれとが必ずしも一致しません。

この度のガイドラインは、従来の欧米からの報告にとらわれない、我が国独自のものとなっています。また、呼吸器の専門医のみではなく、むしろ一般臨床医に使用していただくことを目標にしています。ですから、市中の一般病院や診療所においても実施可能な診断的治療をフローチャートで示すことが心がけられているのです。

(続く)

 

【シリーズ】  咳嗽の診断と治療

1)ガイドライン

2)咳嗽の定義 & 性状

3)急性咳嗽

4)遷延性咳嗽 & 慢性咳嗽

5)咳嗽の発症機序

6)診断フローチャート

7)咳喘息

8)アトピー咳嗽 vs. 咳喘息

9)副鼻腔気管支症候群(SBS)

10) 胃食道逆流症(GERD)

11)慢性咳嗽&ガイドライン

 

【関連記事】 好酸球性下気道疾患

1)概念 & β2-刺激薬の特徴

2)咳喘息

3)アトピー咳嗽 & 非喘息性好酸球性気管支炎

4)咳喘息・アトピー咳嗽・非喘息性好酸球性気管支炎の関係

 


【関連記事】NETセミナー

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【リンク】金沢大学血液内科・呼吸器内科関連

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:09| 咳嗽ガイドライン | コメント(0) | トラックバック(0)

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