溶血性貧血の病型分類 :溶血性貧血(3)
溶血性貧血の診断基準(厚生労働省研究班):溶血性貧血(2)からの続きです。
【溶血性貧血の病型分類 】
溶血性貧血の治療方針を決定するためには、溶血性貧血の病型分類を行う必要があります。
さて、溶血性貧血の分類は以下の通りです。
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溶血性貧血の分類と頻度
1 . 後天性溶血性貧血
1) 免疫性溶血
・ 温式抗体による自己免疫性溶血性貧血 (47%)
・ 冷式抗体による自己免疫性溶血性貧血 (5%)
a) 寒冷凝集素症 (4%)
b) 発作性寒冷ヘモグロビン尿症 (1%)
・ 不適合輸血
・ 新生児溶血性疾患
・ 薬剤
2) 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH) (25%)
3) そのほか:外傷・微小血管障害、破砕赤血球症、感染、化学薬品・薬剤・毒、熱傷、低 リン血症、スプール細胞貧血、脾機能亢進症 など
2. 先天性溶血性貧血 (17%)
1) 赤血球膜異常
2) 赤血球酵素異常
3) ヘモグロビン異常
4) ポルフィリン症
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診断と病型分類のポイントは以下の通りです。
溶血性貧血の約50%は温式抗体によるAIHAです。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)と先天性溶血性貧血を加えると、全体の約90%になります。
したがって、溶血性貧血が疑われれば、まずこの3疾患を念頭に置いて病型診断を進めると良いです。
さて、具体的にはどのように検査を進めれば良いのでしょうか。。。(続く)
【溶血性貧血】
1)赤血球寿命
2)溶血性貧血の診断基準(厚生労働省研究班)
3)溶血性貧血の病型分類
4)自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の診断
5)発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の診断
6)自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の治療
7)発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療
8)溶血性貧血の治療(海外との比較)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:57| 溶血性貧血 | コメント(0) | トラックバック(0)