溶血性貧血の治療(海外との比較):溶血性貧血(8)
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療 :溶血性貧血(7)からの続きです。
【溶血性貧血の治療:海外と日本の比較 】
温式自己免疫性溶血性貧血(AIHA)に対するステロイドの初期投与量は、国内ではプレドニゾロン換算で0.5-1.0 mg/kg/日程度ですが、海外では1.0-1.5 mg/kg/日または40 mg/m2と国内より若干多い傾向にあります。
また、高用量ステロイド療法も試みられ、一定の成果が報告されています。
海外におけるステロイド減量開始の目安はHb 10 g/dLです。
冷式抗体によるAIHAの治療は保存的治療が中心であり、国内外で違いはありません。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に関しては、欧米ではエクリツマブが使用可能です。
また、海外では発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に血栓症(thrombosis)を伴うことが多いため、血栓症予防・治療対策が重要視されています。
そのほか、海外では、溶血性貧血に伴う葉酸欠乏を防ぐため、葉酸の補充を勧めることが多いです。
【溶血性貧血】
1)赤血球寿命
2)溶血性貧血の診断基準(厚生労働省研究班)
3)溶血性貧血の病型分類
4)自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の診断
5)発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の診断
6)自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の治療
7)発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療
8)溶血性貧血の治療(海外との比較)
【関連記事】NETセミナー
汎血球減少のマネジメント:特に骨髄不全について
造血幹細胞移植
貧血患者へのアプローチ
輸血後鉄過剰症と鉄キレート療法
血液内科に関する研修医からのQ&A
【リンク】金沢大学血液内科・呼吸器内科関連
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:35| 溶血性貧血 | コメント(0) | トラックバック(0)