血液内科と出血性&血栓性疾患:血液凝固検査入門(序)
血液内科と言えば、白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などに代表されるように、造血器悪性腫瘍の印象が強いのではないかと思います。実際、血液内科の病棟ではこれら疾患の多くの患者さんの診療が懸命になされています。
しかし、悪性疾患ではない出血性疾患や血栓性疾患も血液内科(血管内科)が扱う疾患です。
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血液内科が扱う出血性疾患(主な疾患のみ)
1)特発性血小板減少性紫斑病
2)血小板機能異常症
3)血友病A&B
4)von Willebrand病
5)ビタミンK欠乏症
6)後天性血友病(第VIII因子インヒビター)
7)先天性凝固因子欠損症
8)その他
血液内科が扱う血栓性疾患(主な疾患のみ)
1)先天性凝固阻止因子欠損症(AT、PC、PS)
2)播種性血管内凝固症候群(DIC)
3)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、溶血性尿毒症症候群(HUS)
4)ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
5)抗リン脂質抗体症候群(APS)
6)深部静脈血栓症、肺塞栓(エコノミークラス症候群)
7)閉塞性動脈硬化症(ASO)
8)種々の抗血栓療法(アスピリン、ワルファリンその他)対象疾患
9)血栓性疾患一般(脳梗塞、心房細動など)
10)その他
これらの出血性疾患や血栓性疾患は主として外来での診療が主体となるために(ただしDICなど例外もありますが)、入院患者さんは多くないと思います。しかし、血液内科での通院患者さんのみならず、他科からのコンサルトも多く、血液内科診療における比重は軽くありません。
出血性疾患や血栓性疾患の適切な診療を行う上で、凝血学的検査を的確に評価できることは怖めて重要な要素です。
しかし、血液内科の医師にとってすら、凝血学的検査はややとっつきにくい印象を持たれることもあるようです。
次回から、血液凝固検査入門をシリーズでお届けしたいと思います。
今回は、予告のみとさせていただきます。
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:04| 凝固検査 | コメント(0) | トラックバック(0)